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ありがとう

今でも目を瞑れば、一瞬であの日に戻ることができる。
1990年12月23日。僕は山梨県にあるウィンズにいた。大画面でグランプリを観戦し、走るサラブレッドの姿に心揺さぶられていた。
最後の直線では初めてあれほどの歓声を聞き、ゴール後には初めてあれほどのコールを聞いた。
僕が競馬にのめり込んだ日だった。




あれからもう20年近くになるのか。
オグリキャップのバリバリの現役時代に間に合わなかった者として、僕はまたあれほどの馬に巡り会いたい気持ちのままずっと競馬を観続けている。
でも、もちろんまだ巡り会えていない。

北海道で遠くから見たときの、彼の真っ白な馬体が忘れられない。静かな、彼に初めて出会ったときのどよめきとは正反対の、冬の放牧地の静けさに佇む彼が、忘れられない。

オグリキャップはもうこの世にはいない。
僕はまだ彼ほどのサラブレッドに会えていない。でも、あの日の彼の姿に惚れて20年。たくさんの名馬や名レースに出会えた。オグリキャップはオグリキャップでしかなく、他の誰でもなかった。
だから、また会いに行きたかったな。そのことが分かったから、僕を競馬に引き摺りこんでくれたお礼を言いに。

彼が亡くなった日。あの日2着だったメジロライアンが函館競馬場で元気な姿を見せてくれた。わざわざ彼を送りに来たみたいだった。
こういうことがあるから、競馬は止められない。

本当にありがとう、こんなに素敵な世界を見させてくれて。最後までドラマティックに走り抜けてくれて。

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だから競馬は素敵だ

昨日行われた第71回オークスは、アパパネとサンテミリオンが雨中の叩き合いの末1着を分け合った。他の馬が伸びあぐねる中、圧倒的に抜け出した2頭のマッチレース。勝負は、美しい敗者がいてこそ勝者が際立つ。ただ、牝馬にとっての頂点であるオークスの舞台で、見守る視線を極端に言えば、全馬同着。だから、この日の結果はとても美しく感動的だったし、両陣営ともに称えられる栄誉となった。
たまにはこんな結果も悪くない。

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うん、全然悪くない。素敵だ。

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今週はいよいよ日本ダービー。今年のメンバーは近年稀にみる強力布陣。ダービーウィークは毎年楽しみなのだが、今年のそれは例年にないほどのワクワク感で楽しめそうだ。

2007年に生を受けた7000頭以上のサラブレッドから選ばれし18頭。
関わる人々にも、それぞれの思いがある。

天才の無念を背負うジョッキーがいる。
悲願のダービートレーナーを狙う調教師がいる。
2年連続ダービージョッキーを目前にした絶好調男がいる。
自身最後のダービーに2頭を送り出す名伯楽がいる。

それぞれの思いを乗せて。ゲートインに、胸は高鳴る。

忘れられないBig Wave

角居調教師が会見で語ったように、まさしくウオッカの競争人生は挑戦の繰り返しだった。だから、競馬界や競馬ファンを丸ごと大きなうねりに引きずり込んで駆け抜ける、ビッグウェーヴのような馬だった。
矢のような末脚で阪神JFを制したあとにオープン特別エルフィンステークスを使ったときは、クラシック前に使い過ぎだという批判も巻き起こった。エルフィンステークス、チューリップ賞を連勝して挑んだ桜花賞で宿敵ダイワスカーレットの前に2着と敗れたときには、やっぱりエルフィンステークスが余計だったと揶揄された。
それでも彼女は日本ダービーに挑戦を決めた。桜花賞も勝てない牝馬がダービーを獲れるわけがない、とやっぱり言われる。
そして、いつもいつも彼女はそんな外野を黙らせるのだ。

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馬場の真ん中からただ1頭の牝馬が3馬身突き抜けたときの衝撃は、言葉ではとても言い表せない。しかも舞台はクラシック最高峰、日本ダービーだ。
一瞬の沈黙があって、怒涛の興奮が巻き起こる。もしかしたら物凄いものを観てしまったのではないかというどよめきが起こり、なんとかそれを整理してから拍手喝采の嵐が起きる。まさに、ビッグウェーヴだ。

3歳春の時点で古馬に挑戦(宝塚記念8着)し、秋にはエリザベス女王杯を直前で取り消したあともジャパンカップ(4着)、有馬記念(11着)と古馬牡馬に混じって王道を歩む。
4歳になってドバイで敗れ(デューティーフリー4着)、ヴィクトリアマイルでも敗れる(2着)。波はいったん引くからこそ、また大きな波となって僕たちを飲み込む。だから、ウオッカの勝利はいつでも劇的だ。
安田記念(1着)で復活し、毎日王冠(2着)でいったんまた引いたあと、あの大きな大きな波がやってきた。

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誰も忘れることのできない、第138回天皇賞。2センチ差で雌雄を決した宿敵との名勝負。1分57秒2というレコードタイムプラス15分間の写真判定。

ジャパンカップでまた敗れ(3着)、翌春ドバイでもまた敗れる(ジュベルハッタ5着、デューティーフリー7着)。

でも、この頃になると僕たちはもう知っていた。次にまた大きな波が来ることを。ワクワクして、待っていた。
ヴィクトリアマイルと安田記念を連勝し、G1を6勝目。夢は、牡馬をも含むG1最多勝利の更新。

でも、僕たちは波はいったん引かなければならないことも、もう知っていた。
毎日王冠2着、天皇賞3着。

ジャパンカップ、1着。

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だから、先週マクトゥームチャレンジで敗れた(8着)ときも、相変わらずウオッカらしいなと思ったじゃないか。本番であるドバイWCという世界最高峰の花道で、見たこともない高波に乗せてくれて、見たこともない景色をまた見せてくれると確信していたじゃないか。

だから、鼻出血での、花道前の引退という結果は無念だけれど、それもまたウオッカらしいのかな、と思ったりもする。
挑戦を繰り返し、G1を7つも勝ち、獲得賞金も牝馬最高、牡馬に混じっても3番目という名馬でありながら、どこか憎めないかわいらしさがウオッカにはあった。だって、負けるんだもの。そして、勝つときは圧倒的に勝つんだもの。
だから、最後の最後にまた一杯食わされた気がして、ウオッカ、そう来たか~とか思っちゃったり。

うわ~!うわ~!とはしゃぎながらウオッカが立てた波に翻弄されてきた、3年4カ月。とても楽しかった。だからもちろん寂しいけれど、楽しい時期は終わるものだよね。ありがとう。

偶然かどうか、ダイワスカーレットがウオッカの引退と時を同じくしてお母さんになった。新しいステージでも同じように彼女は前を先行する。ウオッカはこれから追い出しにかかる。

さぁ、どんな末脚を見せてくれるのかな。

第27回フェブラリーステークス 回顧




昨年のスプリント王ローレルゲレイロが作り出したペースは、前半3ハロン34秒8。昨年自分で35秒1で逃げたエスポワールシチーは2番手で楽にこれを追走。ローレルゲレイロは初ダートに加え距離にも不安があるので道中息を入れる。昨年のエスポワールシチーは何が何でも逃げ切りたかったので息も入れずに一気に走り切っての4着。今年はローレルゲレイロのペースに合わせて自身も脚を溜め、最後の直線で余裕を持って抜け出すと、追いすがるテスタマッタに2馬身半をつける完勝。時計は良馬場で1分34秒9。稍重だった昨年の自身の時計が1分34秒8だったし、何しろレースの中身が違う。大きく大きく成長し、もはや国内ダートでは敵無しであることを高らかに宣言する勝利だった。
ジョッキー、調教師はドバイに前向きだが、オーナーは慎重だという。だが、国内のあらゆる場所、船橋、盛岡、阪神、東京で砂のG1を穫った同馬、調教ではドバイのAWに近いとされるポリトラックでもすごい走りを見せているらしい。是非、世界の頂点に挑戦してもらいたい。

テスタマッタは内枠だったからインに張り付いて脚を溜めるのは作戦通り。直線で前に何度か詰まりながらも力強く伸びてきた。確かに王者には完敗だったけれど、これからの成長が見込める4歳。まだ今の所エスポワールシチーがいない舞台では、という条件はつくが。

ここ限定騎乗の内田博幸の腕は問題なかったように見える。馬自身もプラス体重とはいえ、迫力満点の馬体だった。3着は力の証でもある。ただ、それでいてエスポワールシチーに1秒ちぎられたのも事実。これでエスポワールシチーにはここ3戦、0秒7、0秒8、今回が1秒と差を広げられっぱなしだ。残念ながら力の差を認めないわけにはいかないだろう。

ダート初挑戦の馬たちの中ではローレルゲレイロが最先着の7着。それでも4着馬とは差のない競馬だったし、軽快な逃げ足を見る限り敗因はダートではなく距離にある。ドバイへの選出は極めて難しい状況となったが、これでむしろ高松宮記念連覇へ胸を張っていけるのではないか。
血統的に期待されたレッドスパーダは良い感じで先行しながら直線ズルズルと失速しての12着。距離が向くと思われたリーチザクラウンは中団で折り合うことは折り合えたが、直線も弾けず10着。
やはり初めてのダートで相手が相手だったこともあるが、期待を込めて出走させられた(この辺りがザレマやスーパーホーネットとは違う)だけに、馬の戸惑いを含めて今後の路線選びと軌道修正が難しくなったように思う。力はある馬だけに、2頭とも芝のマイル路線を盛り上げてくれないと困るのだが。

第27回フェブラリーステークス 展望

昨年の秋シーズンは仕事の忙しさにかまけてまったく更新できずにいた。気付いてみれば今週末には今年初のG1。また出来る限り更新していきたい。

昨年のフェブラリーステークスの時計は1分34秒6という好時計で、制したのはサクセスブロッケン。逃げてこの時計を演出したエスポワールシチーは勝ち馬から0秒2差の4着。サクセスブロッケンも2着カジノドライヴも道中は2、3番手でこのハイペースを追走していたし、3着カネヒキリも終始4~5番手の位置。結局ハイペースにも関わらず先行した馬が上位を独占したのだから、このレースはハイレベルでしかも上位入線馬の能力は相当高いということになる。
そのサクセスブロッケンとエスポワールシチーが今年も参戦し、2強を形成する格好か。

エスポワールシチーはフェブラリーステークスで示した能力を改めて見せつけるようにその後4連勝、そのうちG1を3連勝してここに挑む。連覇を狙うのはサクセスブロッケンだが、もはや王者の風格漂うのはエスポワールシチーの方。
逃げなくてもレースができる。つまり、自分でレースを作れる強みがある。昨年はまだ完成途上で逃げたかったが、今年は行く馬があれば行かせればいいという余裕が心強い。乱ペースに惑わされることはない。相当堅い軸と見る。

エスポワールシチー2010FS調教


もう1頭のサクセスブロッケンも昨年秋に少し調子を乱したが、前走東京大賞典でヴァーミリアンを競り落とし復活の狼煙を上げた。ただ、馬は良くても騎手が病み上がり。しかも、今週はここ限定の騎乗だそうだ。内田博幸の執念は怖いが、競馬に満足に騎乗できるまでに完治したわけではない。最後の直線での追い比べが必要な舞台だけに、豪腕内田の腕が万全でないのはマイナスではないか。もちろん切るわけにはいかないが。

今年の特徴として多くの芝馬の初参戦がある。それも芝のレースでも上位の能力を示す馬たちの参戦だけに、初ダートだからと最初から無視してかかれないのが悩みの種。しかもほとんどが先行馬ときている。
東京ダート1600のスタート地点は芝。ダッシュを聞かせて芝馬がスタートを切る。ローレルゲレイロ、リーチザクラウンなどは自然に前に行く。レッドスパーダもこれを追う。もちろん、エスポワールシチーだってサクセスブロッケンだって位置取りは前の方だろう。芝馬の参戦によって考えるべきは芝馬の取捨だけではなく、それによって作られるペースだ。狙いは差せる馬。
面白いのはオーロマイスター。前走根岸ステークスでは差して届かずの3着だが、上がりの脚は勝ち馬と同じ。道中の位置が勝ち馬よりも後ろだったことを考えると、距離が伸びペースが速くなるこの舞台はむしろ勝ち馬よりも向く。

他にも狙うは差し馬。生きの良い4歳勢からテスタマッタ、グロリアスノア。ベテランからはワイルドワンダー、ダイショウジェット。

あとは芝馬の取捨。能力はG1級、ダート云々よりも距離が向くリーチザクラウン。メイショウボーラーと血統背景がダブるレッドスパーダ。気持ちよく逃げれば簡単にはバテないローレルゲレイロ。

ハイペースの実力勝負になったとき、それを底力で制する者が王者となる。ただ、得てしてそういうときはゴール前で何かが飛んでくる。
ハイレベルで、しかも見応えのあるレースを期待したい。

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