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忘れられないBig Wave

角居調教師が会見で語ったように、まさしくウオッカの競争人生は挑戦の繰り返しだった。だから、競馬界や競馬ファンを丸ごと大きなうねりに引きずり込んで駆け抜ける、ビッグウェーヴのような馬だった。
矢のような末脚で阪神JFを制したあとにオープン特別エルフィンステークスを使ったときは、クラシック前に使い過ぎだという批判も巻き起こった。エルフィンステークス、チューリップ賞を連勝して挑んだ桜花賞で宿敵ダイワスカーレットの前に2着と敗れたときには、やっぱりエルフィンステークスが余計だったと揶揄された。
それでも彼女は日本ダービーに挑戦を決めた。桜花賞も勝てない牝馬がダービーを獲れるわけがない、とやっぱり言われる。
そして、いつもいつも彼女はそんな外野を黙らせるのだ。

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馬場の真ん中からただ1頭の牝馬が3馬身突き抜けたときの衝撃は、言葉ではとても言い表せない。しかも舞台はクラシック最高峰、日本ダービーだ。
一瞬の沈黙があって、怒涛の興奮が巻き起こる。もしかしたら物凄いものを観てしまったのではないかというどよめきが起こり、なんとかそれを整理してから拍手喝采の嵐が起きる。まさに、ビッグウェーヴだ。

3歳春の時点で古馬に挑戦(宝塚記念8着)し、秋にはエリザベス女王杯を直前で取り消したあともジャパンカップ(4着)、有馬記念(11着)と古馬牡馬に混じって王道を歩む。
4歳になってドバイで敗れ(デューティーフリー4着)、ヴィクトリアマイルでも敗れる(2着)。波はいったん引くからこそ、また大きな波となって僕たちを飲み込む。だから、ウオッカの勝利はいつでも劇的だ。
安田記念(1着)で復活し、毎日王冠(2着)でいったんまた引いたあと、あの大きな大きな波がやってきた。

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誰も忘れることのできない、第138回天皇賞。2センチ差で雌雄を決した宿敵との名勝負。1分57秒2というレコードタイムプラス15分間の写真判定。

ジャパンカップでまた敗れ(3着)、翌春ドバイでもまた敗れる(ジュベルハッタ5着、デューティーフリー7着)。

でも、この頃になると僕たちはもう知っていた。次にまた大きな波が来ることを。ワクワクして、待っていた。
ヴィクトリアマイルと安田記念を連勝し、G1を6勝目。夢は、牡馬をも含むG1最多勝利の更新。

でも、僕たちは波はいったん引かなければならないことも、もう知っていた。
毎日王冠2着、天皇賞3着。

ジャパンカップ、1着。

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だから、先週マクトゥームチャレンジで敗れた(8着)ときも、相変わらずウオッカらしいなと思ったじゃないか。本番であるドバイWCという世界最高峰の花道で、見たこともない高波に乗せてくれて、見たこともない景色をまた見せてくれると確信していたじゃないか。

だから、鼻出血での、花道前の引退という結果は無念だけれど、それもまたウオッカらしいのかな、と思ったりもする。
挑戦を繰り返し、G1を7つも勝ち、獲得賞金も牝馬最高、牡馬に混じっても3番目という名馬でありながら、どこか憎めないかわいらしさがウオッカにはあった。だって、負けるんだもの。そして、勝つときは圧倒的に勝つんだもの。
だから、最後の最後にまた一杯食わされた気がして、ウオッカ、そう来たか~とか思っちゃったり。

うわ~!うわ~!とはしゃぎながらウオッカが立てた波に翻弄されてきた、3年4カ月。とても楽しかった。だからもちろん寂しいけれど、楽しい時期は終わるものだよね。ありがとう。

偶然かどうか、ダイワスカーレットがウオッカの引退と時を同じくしてお母さんになった。新しいステージでも同じように彼女は前を先行する。ウオッカはこれから追い出しにかかる。

さぁ、どんな末脚を見せてくれるのかな。

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刻み込まれた衝撃を胸にしまって

ダイワスカーレット引退


例えば、野球史上に残る天才スラッガーでありながら無冠に終わった清原和博を振り返るとき、記録だけを見ても彼の真の姿は浮かびあがってこない。
1994年開幕戦、野茂秀雄のノーヒットノーランを打ち砕くライトオーバーの2ベース。日本シリーズでの桑田からの3本のホームラン。2002年、若き松坂大輔へ挨拶代わりの看板直撃弾。
これらの身震いするような衝撃は、やはり同じ時代を生き、肌で体感しないと味わえないもの。

ダイワスカーレットが、屈腱炎のため引退した。

G1レース4勝を含む8勝、2着4回。生涯連対率100%を誇る彼女の鮮やかな戦績を記録として振り返っても、それはそれで素晴らしいものだけれど、やはり彼女の本当の姿は見えないのではないかと思う。

互いに切磋琢磨してきた良きライバルであるウオッカとの戦いは、2008年秋の天皇賞でクライマックスに達した。
わずか2センチ差で敗れたとはいえ、それまで自在にペースを操ってきた天才娘が、ペースを操れなかったこの休み明けのレースで最後に見せてくれた根性に、皆身体が震えた。
並みいる牡馬G1級の馬たちから一身にマークを受け、3コーナー過ぎから襲いかかる彼らをすべてなぎ倒した昨年のグランプリで、僕たちは驚きを通り越し、畏怖の念さえ覚えた。

長い競馬の歴史の中で、これまで数々の衝撃と感動を味わってきた競馬ファンさえ、「まだこれほどまでのサラブレッドがいるのか」と思わせるほどの馬だった。
やはり、全身で体感したこの「ダイワスカーレット」は、記録上には残らない。
同じ時代に生きられて、本当に良かった。

夢は広がっていた。
ドバイ、イギリス、アメリカ…。どこまでも続くものだと思っていた。

でも、サラブレッドは生き物だから、怪我をしたら走れない。

僕たちは、突然終息を告げられた夢(それは人間が勝手に思い描いていた夢だ)を、彼女のために、心にしまい込まなければならない。
頭と心を切り替えて、無念な思いを内に閉じ込め、これから母となり、やがて産まれてくるであろう彼女の息子や娘に、その夢は引き継げばいい。それぞれの思いを込めて。そもそもその夢だって、僕たちの勝手な浪漫なのだから。

だから、今はただ、ありがとうと言おう。
お疲れ様、と言おう。

そして、これからもまだ走るウオッカを見て、その強さを見て、ダイワスカーレットを思い出そう。
思い出すことができるなんて、とてもありがたいことなんだ。僕たちは同時代で、身体全身で、彼女の凄味を体感できた。その衝撃は、心と身体に刻み込まれている。だから、思い出せる。

そして、いつかやっぱり、お母さんの顔になった彼女に会いに行きたいな。



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砂の王者が追う影

冬はダートの季節だ。しかも、動物医療や調教、施設などの進歩の影響からか競争生命が長くなった現在の競馬界においてもダート馬は特に息が長いので、なかなか世代交代が進まず群雄割拠の様相を呈している。
破竹の4連勝でのし上がってきたエスポワールシチーやウォータクティクスなどのレースを見ていると底知れぬ強さを感じるし、早くから話題になっていたカジノドライヴやサクセスブロッケンもおそらく相当の能力を秘めている。
ただ、彼らでさえもその頂点に至るまでには幾つもの乗り越えるべき壁が立ちはだかる。
実際エスポワールシチーは先日の平安ステークスでワンダースピードに敗れた。サクセスブロッケンも古馬との混合戦に入ってからは勝ち切れないし、カジノドライヴも1600万下(ここはさすがに圧勝だったが)からの再スタートを強いられた。
彼らの上の世代にはワンダースピードの他にもサンライズバッカスやメイショウトウコン、地方にはフリオーソもいる。多世代に渡るハイレベルな混戦模様の中では、重賞を一つ勝ったくらいでは中央のG1に出ることさえままならない。
そんなダート戦線に昨年秋まで君臨してきたのが、ヴァーミリアン。連戦連勝で、層の厚い国内ダート界でも敵なし状態だった。
だが、そのヴァーミリアンですら暫定王者に過ぎなかったのか。あれほど強かったヴァーミリアンでさえも…。

カネヒキリ


昨日川崎競馬場で行われた統一G1川崎記念で、カネヒキリが見た目以上の楽勝。これで復帰戦を叩いて以降、G1を3連勝。
改めて文字に書いてみると、カネヒキリがどれほどすごいのかがよく分かる。
3歳時にジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、ジャパンカップダートを勝ち、明けた4歳でフェブラリーステークスも制覇した。だが、そこから2度に渡る屈腱炎で長期離脱を余儀なくされる。
競走馬にとって、2年4か月は途方もない年月だ。毎年新しいヒーロー候補がデビューし、ダート界ではヴァーミリアンが恐ろしいまでの強さを誇示していた。実際、熱心なファン以外はカネヒキリのことなど忘れていたはずだ。すでに引退した過去の馬だと思われていても不思議ではないほどの、それほどの長期離脱。
だが、それを乗り越えて、復帰後もジャパンカップダート、東京大賞典、そして川崎記念とG1を3連勝。その内2戦ではヴァーミリアンを真っ向から打ち破り、真の王者が誰なのかを高らかに知らしめた。
2年4か月の苦難があったにも関わらず、この戦国ダート界の頂点にいるのはやっぱりカネヒキリなのだ。
この現実には、もはや驚きを通り越して畏怖の念すら感じる。

脚元に常に不安がつきまとう王者にとって、これからの現役生活は1戦1選が勝負になる。ここまで積み上げたG1勝利数は最多タイ(シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、アドマイヤドン、ディープインパクト、ブルーコンコルド)に並ぶ7勝(少し前までは7冠馬といえばルドルフの代名詞だったのになぁ…)。次走に予定されているフェブラリーステークスで8勝目を狙う。

だが、カネヒキリにとってさえも乗り越えねばならないものは、おそらくG1勝利数ではない。怪我さえなければG1最多勝利はとっくに達成していただろう(というか休んでいなければ何勝していたのか!?)。
これほどまでに強いカネヒキリを目の前にして、その強さは十分に認めつつも打ち破られない幻想がある。

「クロフネには敵わない」

カネヒキリが追い越すべきもの、それは日本ダート界に残るクロフネの影。

脚元を考えれば、無理はさせられない。
それでも、期待したいのだ。
彼の足跡を振り返れば、すでにこれからも語り継がれる歴史的名馬の域に達している。
だから、だからこそ、期待したい。クロフネの影を追いかけることができる馬など、この先いつ出てくるか分からないのだから。

ここまで来たら、もうクロフネの影まで抜き去ってしまえ、と。



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挑む

サムソンinフランス


エルコンドルパサーが惜しくも2着に敗れ、マンハッタンカフェ、タップダンスシチーが散り、ディープインパクトでさえも3位入線、のちに失格処分となった。
凱旋門賞の頂は遥か高く、その壁は果てしなく厚い。

だが、挑み続けなければならない。そこが、世界の最高峰である以上。

今週の日曜日は秋競馬の開幕戦スプリンターズステークスであるばかりではなく、メイショウサムソンが挑戦する凱旋門賞の日でもある。

相手は強力だ。
6戦6勝無敗の仏オークス馬ザルカヴァを筆頭に、同じく6戦6勝無敗の仏ダービー馬ヴィジョンデタ、昨年の愛ダービー馬ソルジャーオブフォーチュン、良馬場条件での出走のG1レース5連勝中のデュークオブマーマレード…。

このメンバー相手に、しかもぶっつけ本番での勝負に、日本国内でも悲観的な意見が多い。
マスコミの騒ぎ方もディープインパクトの挑戦に沸いた一昨年の十分の一か、百分の一か。本当に今年日本馬が挑戦するのかと疑うほどに寂しい限りだ。
ただ、それも仕方ない面はある。メイショウサムソンは今年に入ってまだ未勝利(G1を2着2回)。ディープインパクトの最大の敗因とも言われている、現地レースの叩き台なしでのぶっつけ本番。近年最強とも言える対戦相手。

でも、やっぱり挑まなければならない。
2年越しでの出走にこぎつけた陣営には、勝つまでの執念が宿っているはずだ。
これが4回目の挑戦になる武豊(過去3回は6着、3着、失格(3位入線))も、渾身の騎乗を見せてくれるだろう。
走る前から「掲示板にでも乗ってくれれば」なんて、馬にも陣営にも失礼だ。

メイショウサムソンは、日本ダービー馬だ。世界最高峰に挑戦するに十分に値するし、挑戦する限りは、頂目指して走るのだ。

10月5日深夜は、歴史的瞬間を信じて、応援したい。

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今年もあの2頭の子供たちが

前記事で遂に書き始めた、僕にとって特別なサラブレッドであるトウカイテイオーのメモリーだけど、書いているうちにどんどん長くなってしまい、2回に分けることにした。
って、2回で終わるのか?

まぁ、いいや。

今年も2歳馬が続々デビューしている。
毎年この時期になると、評判馬もそうでない馬もその将来に夢を描かせてくれて、とてもワクワクした気持ちになる。
そして、僕にとってはトウカイテイオーと、彼とともにスペシャルな馬であるキングヘイローの産駒に賭ける期待はとりわけ大きい。

今週末に行われる小倉と新潟での2歳ステークスに、それぞれの産駒が挑む。

小倉2歳ステークスには、テイオー産駒のメイクデュース。
メイクデュース

初戦こそ、新潟2歳ステークスでもそこそこの人気になりそうなカヴァリエの0.3秒差3着に敗れはしたが、2戦目の未勝利で大幅に時計を詰めて勝ち上がった。
その持ち時計1分08秒3は、小倉2歳ステークス出走馬の中では最速。
ツルマルジャパンという強敵はいるが、小倉得意の太宰とともに頑張ってもらいたい。

新潟2歳ステークスには、キングヘイロー産駒シルクドミニオン。
シルクドミニオン

こちらは阪神芝1200を2番手から抜け出して、0.5差をつける快勝。
それが6月のことだから、ブランクが少々気にはなる。しかも、相手が小倉よりも強力。ガンズオブナバロン、ダイワバーガンディ、バンガロール、セイウンワンダーにカヴァリエ…。
鞍上は福永祐一(デビュー戦は浜中)だけに、スルスルと上位入線、いや、もちろん勝ちまで期待している。

他にももちろんあの2頭の産駒には期待し続ける。
血が引き継がれるスポーツ、競馬の楽しみ方はそこにあるのだから。

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