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第59回阪神ジュベナイルフィリーズ 展望

今年もやってきた。
一年で一番分かりにくいG1、阪神JF。走るはうら若き乙女、2歳牝馬。実績は鵜呑みにできない。血統や調教も絶対ではない。あくまでも少女たちの気分次第。エスコートする騎手が、いかに気分良く走らせられるかという部分が他のG1レースよりも多くの割合いを占める。

馬場から考えよう。
改修されて改善されたとはいえ、まだまだ阪神マイルは内枠有利。3~4コーナーにかけてのカーブが緩やかで大きい分、外を回ると距離損が大きい。

展開。
今年はファンタジーステークスを1000m56秒9というハイペースで逃げて2着に粘ったエイムアットビップという快速馬が参戦。ヤマカツオーキッドも逃げたいらしいし、アロマキャンドルやオディールも早めの競馬で、流れは速くなる。
それでは追い込み馬かというと、開幕週の絶好馬場。簡単には前も止まらないだろうし、速い流れで瞬発勝負とはならない。末一手の馬では間に合わない可能性も高い。

安藤勝オディールは、ファンタジーSで好位追走から見事にエイムアットビップを差し切ったが、距離経験は1400mまで。直線に坂のある阪神マイルでは、まだ全幅の信頼は置きにくい。

思い切って、マイネブリッツを狙いたい。もちろん、複圏内で。
野路菊ステークスでは実力牡馬キャプテンテゥーレ(3着)と差のない4着。前走ききょうステークスでは、後に京王杯2歳ステークスで3着に入ったレッツゴーキリシマを下しての勝利。力のある牡馬と差のない競馬をしてきた経験はきっと生きる。

川田


鞍上は若手のホープ川田将雅。そろそろG1で一発あっていい。

可能性を言えば切りがないので相手は絞り切れないが、2戦2勝ラルケットはフランスのリーディングジョッキーであるパスキエを確保。内枠から虎視眈々の武豊レジネッタと、藤田アロマキャンドル。8枠に入ってしまったが岩田で怖いエイシンパンサー。抽選対象にも関わらず池添が選んだトールポピー。もちろん、上記ファンタジーSの1、2着馬も怖いし、新潟2歳ステークスの末脚が強力だったレーヴダムール。

ただ、やっぱり勝負はマイネブリッツの複となる。

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第27回ジャパンカップ 回顧

admire moon

コーナーのあるコースで競馬をしている以上、本来はインコースを突くのが最短距離を通ることができるわけだから有利のはず。だから、理想としては巧く内を突くに越した事はないわけだけれど、それは同時にごちゃついて前が詰まるリスクを孕む。だから、インに飛び込んでいくことはジョッキーにとっても勇気のいることで、だからこそ、それが綺麗に嵌まって勝ち切れたとき、それはジョッキーの勇気と腕に拠る部分が大きくなる。

昨日のジャパンカップダートでもフィールドルージュ横山典がそれを試みたが、勝ち馬の強さの前にあと一歩届かなかった。ただ、ジョッキーの乗り方としては完璧で、騎手も陣営もファンも悔いはないはず。

ジャパンカップの勝ち馬と2、3着馬とはそのコース取りの差によるところが大きい。

レース自体の流れは途中ペースが落ちて、最後の瞬発力勝負となった。
勝ったアドマイヤムーン岩田は道中かかり気味に追走。岩田曰く「息が入らなかった」そうで、それでもインからグイグイと伸びてポップロック、メイショウサムソンの追撃を凌ぎ切ったのだから立派な勝利。ただ、内を突いた岩田のファインプレーが勝利に大いに貢献したことは、3頭とも上がり33秒9と同じで、着差がアタマ、首だったことが物語っている。
力はほぼ互角。コース取りが明暗を分けたレースだった。
アドマイヤムーンはこれでドバイDF、宝塚記念に続く大きなG1レース3勝目。これで引退らしいが、種牡馬としての勝ちを高める上でも最後に本当に大きな仕事をやってのけた。有終を飾る見事なレースだった。

惜しくもアタマ差届かなかったが、ポップロックも力は存分に見せ付けたし、メイショウサムソンも圧倒的1番人気を背負っていたのだから、外を回るのは当たり前とも言える。
ただ、メイショウサムソンにとって33秒台の上がりは今回が初であり、33秒9という上がり自体がこの馬にとってギリギリなのではないかとも感じる。
決して瞬発力勝負に強い馬ではないだけに、もう少し早めに動けなかったか。
ただ、差し切ろうかという勢いで猛然と追い上げてきたウオッカを封じ込めたところに、この馬の馬体を併せての強さは示した。だから、内から出し抜けを食らったのが敗因の大きな要素だろうし、本来は先に抜け出して追い上げてくる馬に体を預けたいタイプだろう。

そのウオッカは道中最後方から上がり最速33秒6で追い上げての4着。
歴戦の古馬に対して堂々の力勝負を挑めるのだから、それだけで凄い馬だ。改めて再認識。

アドマイヤムーンを除く上位3頭は、順調に行けば有馬記念で再び激突する。
昨年2着のポップロックは中山2500mに文句はないし、底力勝負に持ち込みたいメイショウサムソンにとっても府中2400mよりは向くだろう。
ただ、抜群の瞬発力で挑むウオッカはどう乗るのだろうか。今日のように最後方からでは、今日よりさらに届かない可能性は高い。
新しいウオッカが見られるだろうか。想像以上の潜在能力を、また見せ付けてくれるのだろうか。

今日の名勝負の余韻とともに、グランプリへの楽しみは広がる。

第8回ジャパンカップダート 回顧

vermillion

エイシンロンバードの逃げは予想通りだったが、これにキャンディデートやブルーコンコルドまでが絡んでいくとは、福永にとっても予想外。流れは自然に速くなり、中団以降でじっとしていた馬達にとってはシメシメといった展開。

武豊ヴァーミリアンも中団後ろでピッタリと折り合って追走。外をまくっての差し切りだけに強い勝ち方だった。
レース前の雑音をぴしゃりと黙らせるに充分の完勝。コースレコードのおまけつき(改修前のクロフネの時計には及ばないが)だけに、来年のドバイ再チャレンジに大いに期待を持たせるレース内容だった。
武豊が語るとおり、本当にようやく本格化。これからが真骨頂かも知れない。地方中央問わず日本の砂を制した今、目標をドバイとするのは自然な流れだし、昨年のチャレンジよりも勝負度合いはずっと大きい。
是非、無事に旅立ってもらいたい。

2着フィールドルージュは、横山典が完璧なレース運び。こちらも中団から巧みにインをついて、3着以下は引き離している。力は出し切った。だからこそ、勝ち馬の強さがさらに際立つのだが。

3着サンライズバッカスも4着メイショウトウコンも脚を溜めて直線一気に追い込んだが、この舞台では少し力の差があったのかも知れない。

ただ、ドラゴンファイヤーの敗戦は少し残念だった。位置取りが後ろ過ぎたようにも見えるし、ジョッキーが少し焦って追い出しが早かったのかも知れない。
ただ、まだ3歳馬。これからだろう。

外国馬はまったく出番なし。
日本の馬の力が年々上がってきており、さらに輸送の不利なども考慮に入れても残念なこと。せっかくの国際G1の舞台。もっと力のある外国馬との真剣勝負が見たい。
来年から阪神競馬場で行われるという改革の行方を、とりあえずは見守るしかないか…。

第27回ジャパンカップ 展望

meishosamson

個人的なことだが、このブログを始めてすぐのG1がエリザベス女王杯。そこから、マイルCSと今日のジャパンカップダートとG1を三連勝している。やはり、こうやって文章に書くと、自分の予想をまとめることが出来て良いのかも知れない。
この勢いでジャパンカップも的中と行きたい。

今年の凱旋門賞とキングジョージを勝ち、ヨーロッパの年度代表馬にも選ばれた久しぶりのビッグネームであるディラントーマスが不可解な理由で出走除外。これだけ世界を股にかけている馬と陣営が国際ルールを知らないはずはないが…。わざわざ来日しての除外だけに無念だろう。それとも、香港への良い経由にされたか。

ともかく、ディラントーマスの回避で一気に層が薄くなった外国馬。ただ、ファルブラヴやサラファン、インディジェナスといった伏兵が穴を開けてきたジャパンカップだけに、外国馬に求められるのは格よりも東京コースへの芝適性。その辺りからJC参戦の経験があるスタウト厩舎のペイパルブルと、ドライスデール厩舎のアルティストロワイヤルは押さえておいて損はない。

しかし、迎え撃つ日本勢は強力。中でもG1を4勝して充実期に入ろうとしているはずが、地味な印象から脱却できていないメイショウサムソンを狙い打つ。
秋の天皇賞前も「この馬が一番強い」と本命に指名したが、期待に応えての快勝。崩れない安定感は本来のものだが、武豊を鞍上に迎えて力強さに磨きがかかったように感じる。

相手は復調著しいインティライミと、ペリエのポップロック。
前者はこの秋二連勝と見事に復活。ディープインパクトの二着だったダービーもすごい時計。復調して、末脚の破壊力が以前よりも増したとなればここも充分に計算は立つ。天皇賞をパスしてのローテーションも好感が持てるし、狙ったときのこの厩舎とジョッキーは怖い。
ポップロックは天皇賞こそスタートで後手を踏み、さらには距離不足に泣いて盛り返せなかったが、同じ失敗をペリエが繰り返すとも思えないし、距離もドンと来いの府中2400m。沈むところは想像しにくい。

まとめて負かせば、今年のダービー馬ウオッカ。
エリザベス女王杯無念の取り消しから、見事に立て直して坂路50秒2という猛稽古。ただ、一度張りつめた気持ちを落ち着かせて、さらに燃え上がらせてきたのだから、当日のテンションには気を配りたい。

あとは前記外国馬二頭に、あのコスモバルクを折り合わせたルメールのヴィクトリー。地力上位のアドマイヤムーン、昨年5着に頑張ったフサイチパンドラ、復活していれば上位充分の力があり、鞍上も魅力のドリームパスポート。

第8回ジャパンカップダート 展望

ジャパンカップダートはまだ歴史も浅く、ジャパンカップと同じ日に行われたり、前日の土曜日に組まれたり、東京コース改修工事で中山で開催されたり。なんとなくまだ落ち着かないG1のような印象を受ける。
そして、先日JRAから発表された情報によると、来年からはジャパンカップの1週前に阪神で、ダート1800mとして行われるそうだ。
新しくなった阪神での開催は良いと思うし、距離の1800mも外国馬にとっては参戦しやすいのかも知れない。だが、本来アメリカの強いダート馬を呼びたいはずが、今でさえブリーダーズカップから間隔が詰まっているという理由でなかなか来てくれないのを、それよりも1週早めてどうするのだろうか。さらに、ジャパンカップウィークとして、同日や同じ週末に国際G1で盛り上げていくという方向性は捨ててしまったのだろうか。なんとも、これでは香港にどんどん置かれていくような気がしないでもない。

まぁ、とにかく東京のダート2100mという条件で行われる最後のジャパンカップダート。欧米から超一流の参戦はないが、そんな時ほど外国馬には注意が必要なのかも知れない。
だが、馬券の組み立てはあくまで日本馬中心で良い、と思う。

日本馬路線では、地方、中央のダート重賞戦線で活躍してきた馬たちが出揃い、混戦模様の顔ぶれ。地方と中央の砂質の違いなども考慮に入れながら、慎重に、大胆に予想したい。

field rouge

正直、1着馬を予想するのは難しい。そして、馬券圏内に入る可能性のある馬も相当に多い。ここは攻めの姿勢で、本命にはフィールドルージュに期待する。ただ、あくまでも3着圏内として。
昨年は武蔵野ステークス3着からJCDも3着。その後、しばらく今一歩の成績に甘んじてきたが、夏の函館で横山典を鞍上に迎えて2連勝。前走の武蔵野ステークスこそ4着に敗れたが、グチャグチャの不良馬場で前残りの競馬。この馬自身上がりは34秒8。その末脚に衰えはない。
「ジャパンカップダートに向けて、良い試走ができた」
武蔵野ステークスのレース後、横山典が語った言葉だ。
今年G1では存在感を示せていない同騎手だが、ここは意地の直線一気に賭けたい。

ヴァーミリアンは前走、休み明けでJBCクラシックを圧勝。地方のダートでの活躍が目立つが、もちろんその実力には敬意を評するし、鞍上武豊で馬券圏内を外すことは考えにくい。対抗。

その他では4連勝中の3歳馬ドラゴンファイヤー。その僚馬で安定感抜群のワイルドワンダー。何しろ鞍上が現在神懸かっているサンライズバッカス。末脚脅威のメイショウトウコン。地味に渋といワンダースピード。人気皆無で面白いボンネビルレコード。
地方から内田博で参戦のフリオーソも当然圏内だし、外国馬ではブリーダーズカップを回避してここを狙ってきたスチューデントカウンシルを押さえる。

砂を飛ぶ黒船

kurofune_top

今週は土曜日にジャパンカップダート、日曜日にジャパンカップが組まれている。華やかな国際G1の週末だ。
JCではたくさんの思い出がある。
トウカイテイオーの親子二代による制覇。エルコンドルパサーによる世界への飛翔の第一歩。凱旋門賞無念の失格からの復活、ディープインパクト…。
ただ、あとにも先にもこれ以上の衝撃はなかったと言えるのが、クロフネのジャパンカップダート。もう、6年も前のことになる。

JRAが2001年からダービーを外国産馬にも開放し、まさにその元年、来襲したのがクロフネだった。

前年のラジオたんぱ杯3歳Sでの、世代のハイライトとも言える3強唯一の対戦がクロフネの物語の序章だろう。
2001年、無敗で皐月賞を制するアグネスタキオン、ダービーとジャパンカップを勝利したジャングルポケット、そして、NHKマイルカップとジャパンカップダートを衝撃的な走りで勝つクロフネが、唯一対戦したのが2歳時(旧表記では3歳)のこのレースだった。
クロフネはここではアグネスタキオンに追いつけず、ジャングルポケットには差されている。
ただ、翌年のクラシックを思うとき、心躍らせずしてこのレースの3強対決を観ないわけにはいかなかった。

ダービーを開放されたとはいえ、まだ制限付き。2001年のクロフネの最初の目標はダービーに出走すること。
毎日杯を圧勝し、NHKマイルカップをおよそ届かないだろうとも見える位置取りから差し切り、クロフネはその名の通りダービーへ来襲した。5着と敗れはしたが、歴史的な参戦だった。

夏を越し、神戸新聞杯でよもやの3着に破れたクロフネは、目標としていた天皇賞・秋への出走が叶わなかった。ここにも外国産馬への出走制限があり、ゲートに入れるのは2頭のみ。メイショウドトウが当確で、直前に出走表明したアグネスデジタルに賞金面で及ばなかったのだ。(アグネスデジタルはこの時点ではまだ伏兵馬の域を出ず、突然の出走にクロフネファンのみならず世間から白い目で見られたが、結果的に天皇賞ではテイエムオペラオーを差し切っての勝利を飾ることになる)
この経緯が、ある意味では怪物クロフネを決定付けるきっかけとなる。

天皇賞に向けて調整していたクロフネはレースに出られる状態に仕上がっていたわけであり、陣営は天皇賞前日の武蔵野ステークスに出走を決める。
土曜日のダートのG3。どちらかと言えば地味な舞台で、最後の直線で湧き上がったどよめきにも似た歓声。ゴール後の割れんばかりの拍手。こんな土曜日のレースが他にあるだろうか。
クロフネは初ダートにも関わらず、後続に9馬身の着差をつけて悠々とゴールしていた。
叩き出したタイムは1分33秒3。上がり3ハロンは35秒6。
まさに、驚くべきダートでのポテンシャル。
kurofune_musashino


長く競馬を観てきていても身体が震えるほどの衝撃を味わうといことはなかなかないものだが、クロフネには2度も体験させられることになる。
その第一弾がこの武蔵野ステークスであり、この次のレースであり結果的に引退レースとなったジャパンカップダートだ。
圧倒的1番人気に押されたクロフネは、直線またも一人旅。2着との差は7馬身、タイムは世界レコードとなる2分5秒9、完全に流していた上がり3ハロンの脚は35秒8。
kurofune_JCD


当然のように広がる世界への夢。ドバイやブリーダーズカップを圧勝するクロフネの姿は、残念ながら夢のままに終わってしまった。
ジャパンカップダートから1ヵ月後に、屈腱炎で引退。

ただ、たった2戦のダートの走りで与えてくれた衝撃は今も身体が覚えているし、見させてくれた夢は果てしなく大きかった。
僕の中では、たぶん、ディープインパクトよりも…。

第24回マイルチャンピオンシップ 回顧

milecs.jpg

ゴール板手前、安藤勝己が後ろを振り返って着差を確認する。いつもの動作。武豊の年間G1最多勝利記録に並ぶ6勝目のゴール。
ダイワメジャーは安田記念に続き、今年のG1二勝目。通算五勝目。マイルチャンピオンシップ連覇。立派な名マイラーの仲間入りだ。
衰えも伝えられていたが、なんのことはない、昨年のリプレイのようなレース運びで、タイムまで昨年とまったく同じ。他を圧倒する見事な勝利だった。

前後半のラップがほとんど同じという平均ペースでありながら、淀みのない展開。各馬の底力が反映されるレースだったように見える。その証拠に1~5番人気馬がそのまま5着までを占めた。
ダイワメジャーは先行集団につけて早めの抜け出し、この形で負けたことがないのだから、安藤勝己が天皇賞の反省もあってか積極的にレースを進めた時点で勝負あったのかも知れない。脱落する他の先行勢を尻目に、襲いかかるスーパーホーネットに馬体を並べにいったのも安藤勝己のファインプレイ。闘争心に火がついたダイワメジャーは、並びかける相手には絶対に抜かせないのだから。

2着スーパーホーネットは、藤岡佑介がほぼ完璧に乗っての悔しいクビ差。しかし、遠い遠いクビ差。
追い上げる時の脚は交わせるかとも感じさせた。ただ、欲を言えばこちらは馬体を併せずに一瞬で抜き去りたかった。馬体を併せられた途端、王者の威圧感に気圧されたかのように勢いは止まってしまった。
それでも唯一王者に追いすがった価値ある2着。今年で王者は去る。その後のマイル界を背負って立つ有力候補には躍り出た。

3着スズカフェニックス、5着カンパニーはさすがという末脚を見せたが、自分でレースを作れないのだから仕方ない。

そして、4着アグネスアーク。レース中に故障していたらしく、ゴール板を過ぎてから藤田が下馬。
レース後、左前肢繋靭帯炎の疑いが持たれた。
夏からの連戦の疲れが残っていたのか、無理使いが祟ったんじゃないのかと言う声も聞こえるが、全ては結果論でしかあり得ない。勢いがあるうちにレースを使いたいのはどの陣営も同じだろうし、何より外野よりも一番近くで見ている調教師と厩舎スタッフの判断だ。大丈夫と思って使った以上、逆に何かあったときの充分な覚悟を持っての出走だったろうと思う。
検査の結果は左前肢繋靭帯炎ではなく、左肩ハ行という軽度のものだったらしい。とにかく、良かった。
素質ある馬だし、疲れを癒して来年。まだまだやれるはずだ。

第24回マイルチャンピオンシップ 展望

ダイワメジャー


群雄割拠が伝えられる今年のマイルチャンピオンシップ。ただ、昨年のこのレースと今年の安田記念を制し、混戦模様だったマイル界を統一した格好のダイワメジャーが今年も参戦する。
本来ならばダイワメジャーで絶対と言われても良さそうなものがなぜ混戦と言われるのかというと、この秋の敗戦にある。毎日王冠3着、天皇賞9着。ただ、毎日王冠は59キロを背負ってハイペースを先行しての3着だし、天皇賞はスピードが乗ったところで不利を受けたという理由もある。秋3戦目、一番走れる状態の今回、やはり格の違いを見せ付けるのか、それとも衰えが露呈されるのか。
同じく天皇賞で不利を受けながらも2、3着に入ったアグネスアークとカンパニー。
前者は夏からの使い詰め、後者はG1での底力不足も指摘されている。果たして…。

今回のマイルチャンピオンシップに出てくるメンバーを見ていると、現時点でのこの距離での強者が揃ったように感じる。
事実、出走各馬の戦績を見てみると、今年の1400~1600mの重賞を勝ち上がってきた馬ばかり。
エイシンドーバー(京王杯SC、阪急杯)、カンパニー(関屋記念)、キングストレイル(京成杯AH)、コイウタ(ヴィクトリアマイル)、ジョリーダンス(阪神牝馬S)、スーパーホーネット(スワンS)、スズカフェニックス(東京新聞杯)、ダイワメジャー(安田記念)、ピカレスクコート(ダービー卿CT)、ピンクカメオ(NHKマイルカップ)、マイネルシーガル(富士S)。
スズカフェニックスはG1高松宮記念も制しているし、今回が引退レースとはいえローエングリンは今年の中山記念(1800m)を勝っている。
これで、マイラーズカップ勝ちのコンゴウリキシオーが出てきていれば、今年のマイル前後の重賞勝ち馬がほとんど揃うかのごとき勢い。まさに秋のマイル王決定戦にふさわしい。
ただ、違った見方をすると、毎回勝ち馬が変わる、実力拮抗の様がありありと見えてもくる。
馬券的には難しいが、白熱したレースが期待できそうだ。

全盛期の勢いに陰りが見えてきたとはいえ、調子さえ良ければこのメンバー相手では力が違うことを期待して、ダイワメジャーから入りたい。調教では良かったころの迫力が蘇ってきた。得意のマイルで惨敗はさすがにないだろう。
次位が難しいが、陣営の調子持続の言葉を信じてアグネスアーク。ただ、ただでさえ小柄な馬が強い馬相手に激走を繰り返し、馬体重が減り続けている。当日の気配まで見てみたい。
そして、天皇賞で好走し、本格化が本物だとしたらカンパニー。
G1馬に武豊でスズカフェニックス。鋭い末脚で連勝中のスーパーホーネット。ルメールとペリエのエイシンドーバーとフサイチリシャールにも注意を払いたいが、穴では牝馬のジョリーダンスと、春は安定して走っていたローレルゲレイロ。
特に後者は惨敗後にいきなり激走するキングヘイロー産駒の血が騒いでもおかしくない。調教は好時計。和田騎乗で、一発があっても不思議ではない。

第32回エリザベス女王杯 回顧

レース当日の朝になって発表された一番人気馬ウオッカの回避。これによって3歳2強対決の構図は崩れ、ダイワスカーレット1強対古馬との戦いにレースの焦点は移った。
と同時に、ウオッカの強烈な末脚を先行勢は意識する必要はなくなり、追い込み勢では全盛期の勢いはないスイープトウショウ、いつも今一歩のディアデラノビアやアドマイヤキッスの存在しかなくなった。これは先行勢にとって大きな違いであり、結果、やはりレースは逃げたダイワスカーレットの形に作り上げられ、淡々としたスローペースから早めのスパート。上がり34秒1でまとめ上げられれば追い込み勢の出番はない。
ウオッカがいればあの展開を差し切れたかというと、きっと届かなかっただろう。しかし、ここがレースの面白いところで、ウオッカがいたらあの展開にはなっていない可能性は高いと思うのだ。
もちろん、ダイワスカーレットは自分のレースを守ろうとするだろうが、ウオッカの脅威を感じているのと感じていないのとでは少なからず仕掛けのタイミングが違ってくるはずだから。また、フサイチパンドラやアサヒライジングにしても同じく、後ろに強力な馬がいるのといないのとでは大違いで、ウオッカがいても今日のように自分のレースに徹し切れたかどうか。ウオッカも勝ちにいくでだろうから、早めに進出していたはずだ。

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アサヒライジングが出遅れたとはいえ、もちろん今回もレースを作って後半4ハロンは11秒台を連発して突き放したダイワスカーレットは相当強い。番手を進むアサヒライジングがもっとプレッシャーをかけられなかったのかとか、スローを感じているのにディアデラノビアやアドマイヤキッスはもう少し前につけようと動けなかったのかとか色々と言われるだろうが、分かっていても誰も動けなかったのは騎手心理。皆自分の馬がかわいいのであり、自分の馬にとっての理想の位置取りにつけているのであり、玉砕覚悟で下手に動くよりはこのまま我慢してこの馬のレースをしようと思ってしまうのは当然のことだろう。また、この形を作ったのは他ならずダイワスカーレットの能力とそれを熟知した安藤勝己の技術なのだから、勝者は称えられて然るべきだと思う。一見とても楽に勝っているように見えるが、他の馬が動くに動けなかったのは、勝者のレース運びに一分の隙もなかったからだ。
昨年と一昨年の女王を引き連れての、力強い勝利だった。

ウオッカの回避の原因は凱旋門賞を断念したときと同じ蹄球炎らしい。今回は残念だったが、何しろ64年振りにダービーを制した牝馬。焦らずじっくりと治して復帰してもらいたい。

最後に、スイープトウショウがこのレースで引退を決めた。レース前のパドックで池添騎手には告げられたという。そして、おそらく今の時点での能力を出し切っての3着。ジョッキーも内を突いての好騎乗だった。
調教が出来なかったり、返し馬が出来なかったりしたやんちゃ娘。それでいて、G1を3勝。特に一線級牡馬を正攻法で打ち破った宝塚記念は素晴らしかった。
こういう個性派がいなくなるのは寂しい限りだが、良いお母さんになって、子供達をターフに送り出すという大仕事が待っている。
記憶にも記録にも残る名牝。お疲れ様でした。

第32回エリザベス女王杯 展望

今週の日曜日はエリザベス女王杯。
今年は3歳のみならず牝馬のレベルが高く、白熱したレースが期待できる。(カワカミプリンセスがいればもっと良かったが。)
ただ、そんな中でも人気の中心は近年最強レベルと言われる3歳牝馬を引っ張る2強、2冠牝馬ダイワスカーレットとダービー馬ウオッカだろう。オークス馬ローブデコルテが霞むほどこの2強は強い。
立ち向かう古馬勢は昨年の覇者フサイチパンドラ、府中牝馬ステークスの1,2着馬デアリングハートとアサヒライジング、G1三勝馬スイープトウショウ、安定感あるアドマイヤキッスに、武豊に手綱を託すディアデラノビアといった布陣。

3歳馬と古馬との能力比較もポイントだが、今回は先行勢にも追い込み勢にも強力馬が揃っていて、レース展開を読むのが難しい。
前に行って残るのはダイワスカーレットか、フサイチパンドラか、アサヒライジングか。
追い込んでこれるのはウオッカか、スイープトウショウか、アドマイヤキッスか、はたまたディアデラノビアか…。

フサイチパンドラに騎乗するルメールが控えるような話をしているし、きっと逃げるのは柴田善臣アサヒライジングだろうと思う。上位を狙える実力馬で鞍上柴田善臣を考えるとハイペースではなく、でもスローの直線勝負にはしたくないだろうから、おそらく淀みないペースからの早めの仕掛け。同じ戦法のダイワスカーレットとフサイチパンドラがどう動くか。安藤勝己とルメールの駆け引きも見物だ。
これに対して追い込み勢、特にウオッカはダイワスカーレットに雪辱を晴らすために、また彼女の実力を充分知っているだけに、早めに捉えにかかる。さらに後ろから襲い掛かるスイープトウショウ、ディアデラノビア…。
こんな展開か?

ダイワスカーレットは初めての距離でもこれまでと同じように前にいて、さらに33秒台の末脚を繰り出せるのかが問題。そこをどう見るかで予想は分かれる。
これまで自分でレースを作ってきて楽に勝ってきた(それはもちろんすごいこと)ダイワスカーレットにとって、初めてとも言える強力同型馬2頭の存在はやっかいなのではないかと思う。

vocka


やっぱりウオッカに期待したい。歴史を塗り替える牝馬によるダービー制覇。あのしなやかでいて、唸るような豪脚。舞台は京都コース外回り2200m。四位が普通に乗れば、この馬が一番強い。
そして、武豊操るディアデラノビア。いつも今一歩の成績だけど、鞍上武豊の腕、得意の京都コース、調教抜群で注意したい。
先行勢では充実してきたアサヒライジング、魔術師ルメールのパンドラももちろん押さえる。
あとは岩田2度目でアドマイヤキッスと、実績はNo.1、ご機嫌次第のスイープトウショウだけど、勝ち切るまではどうか。ダイワスカーレットは思い切って押さえまで。来られたら素直に脱帽することにしよう。

もちろん当日のパドックまで見て買い方は決めたいが、こういう展望はワクワクするもの。特に今年は牝馬のレースが面白い。
語り継がれる好レースを期待しよう。

オグリキャップは元気です

オグリキャップ

ミッドタウンの富士フィルムフォトサロンで、小さく展示されている内藤律子の写真展『あれから17年 オグリキャップは元気です』に行った。
あの奇跡のような引退レースから現在まで、牧場で暮らすオグリキャップを追ったもの。
人との戯れ、猫と遊び、すっかり白くなった芦毛の馬体を踊らせて駆ける。その表情は、現役時代と同様聡明で、現役時代とは違って穏やかで、優しい。
写真家の愛情溢れる眼差しで捉えられたオグリキャップの写真にグルッと回りを囲まれ、僕は立ちすくむ。

oguri2


競馬を始めた年が、オグリキャップの引退の年だった。
彼はすっかりアイドルホースで、空前の競馬ブームの中心にいて、右も左も分からない僕もオグリキャップだけは知っていた。
最後の秋シーズン。天皇賞にも、ジャパンカップにも惨敗したオグリキャップには限界説が取り沙汰されていた。
「オグリは終わったよ」
「往年の力は見込めない」

つい最近までもてはやし、ブームの立役者に祭り上げていた張本人たちが、手の平を返すように口々にそう言うのが、僕には不思議だった。
「引退レースくらい応援してあげようよ」
それくらいの感覚で、競馬のけの字も知らない僕はウインズでオグリキャップを見つめていた。
応援はしていた。でも、オグリは負けると僕も思っていた。

1990年12月23日、グランプリ有馬記念。世紀のスターホースは自らの花道を飾るかのように、若き天才ジョッキーを背に、先頭でゴール板を駆け抜けた。
地鳴りのような歓声。割れんばかりのオグリコール。

オグリ有馬


なんだこれ。
なんだか、すごい!
こんなことが、起こるんだ…。

初めて味わう種類の興奮に、身体が震えていた。
なんで、体力の衰え始めた引退レースで、こんなに劇的に勝てるんだ?
競走馬って、何だ?

急速に競馬に惹き込まれた。
それから17年。ご覧の有り様である。

オグリキャップと出会っていなければ、きっとこんなに競馬を続けてはいない。
1990年12月23日の、あの体験がなければ…。

あれから、17年。
オグリキャップは元気のようだ。
また、会いに行きたいな。

Gate in

「競馬が人生の縮図なのではない。人生が競馬の縮図なのだ」
と言ったのは、寺山修司。
もちろん、そこまで大それたことは思っていないけれど、僕にとって競馬は大きな部分を占めている。

競馬と出会って、18年目になる。
まさか、ここまで長く付き合っていくことになるとは思ってもみなかった。でも、そうなった原因は分かっているし、これからもこの付き合いが続いていくことも知っている。

f2


これまでにたくさんの感動、憤り、落胆、悲しみ、興奮、歓喜といった心の揺さぶりを与えてきてくれた馬や人、競馬というスポーツそのものに対して、ごくごく私的に残しておきたいものがある。
だから、このブログは外に対して向かっているのではなく、自分に向けて書こうと思っている。
ただ、ブログというツールが“私的なのに不特定多数に公開されている”という矛盾を孕んでいる以上、それを意識しないわけにはいかない。
だから、この私的なつぶやきに付き合ってくれる人がいるとしたら、それはもちろん嬉しいし、ありがたい。

まだ、どんな形になるのか見当もつかない。不定期の更新になることは間違いないけど。
とりあえずゲートに入った。
さて、何を書いていこう…。

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