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第28回ジャパンカップ 展望

ウオッカ調教JC


メイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイという3世代のダービー馬が集い、さらには昨年と今年の菊花賞馬、イギリスのクラシック路線では菊花賞に相当するセントレジャー勝ち馬シックスティーズアイコン、そして昨年のグランプリホース、マツリダゴッホ。それぞれが意地と誇りを賭けて激突する舞台は、何よりも相応しい府中のチャンピオンディスタンス。紛れはない。

現役トップクラスの馬たちが紛れのない府中の2400で戦う以上、勝ち馬はその中から生まれるはず。だから、無駄な伏兵探しはせずに頭数は順調に絞れた。
だが、そこからが難しい。順位付けが鍵を握る。

正直、有力馬それぞれが不安も抱える。

ウオッカとディープスカイは、何と言っても歴史的激戦となった天皇賞の反動はないのか。力の限りを振り絞り、最後の1ハロンは2頭ともバタッと脚が止まった。だからといって距離延長を不安視するわけではないが、それほどの激戦からの中3週で疲労は抜けているのか。しかも、ウオッカはそのスローペースではない天皇賞でも前半引っ掛かりかけていた。距離延長のここで、上手く折り合えるのか。

メイショウサムソンは帰国後初戦。オウケンブルースリは古馬と初対戦、初の東京コース。マツリダゴッホは鬼門の左回り。アサクサキングスは菊花賞以後勝利はおろか連対すらない。

どの馬が、どの騎手が、それぞれが抱える不安を克服することができるのか。

何が何でも逃げたい馬はいない。トーセンキャプテンかアサクサキングスかコスモバルクが無理せず先団へ行く。メイショウサムソン、マツリダゴッホなどが続く。ペースは上がらない。
だが、切れ味勝負にはしたくないメイショウサムソン、マツリダゴッホ、アサクサキングスは早めに動く。ウオッカもディープスカイもおそらく天皇賞よりはゆったりと乗るだろうし、オウケンブルースリも前に行ける脚質ではない。
直線に入って開く差を、残り300~400m辺りから追い上げにかかる。

だけど、きっとウオッカとディープスカイにとって、焦らずに進めることこそが大事。彼らはきっと捉えられる。
昨年のダービー、今年のダービー。この2頭は圧巻のパフォーマンスで別次元のレースをした。舞台は同じ、府中のチャンピオンディスタンスだ。
末脚はたぶん少しだけウオッカの方が切れる。最後止まってしまう癖はあるが、抜け出すときの高速の脚があれば止まっても大丈夫。ましてや鞍上は岩田。止まりかけても、押して押して前へ進める。
中間を見る限り、前走の疲労残りはない。
本命は、ウオッカ。
対抗に、ディープスカイ。

この2頭の相手には、前に行く組から考えたい。
体調次第だが、調教からは問題なしに見えるメイショウサムソン。武豊の落馬負傷により、戻ってきたその手綱。石橋守、一世一代の大勝負。ウオッカには負けたことがない根性の先輩ダービー馬が、石橋の執念の手綱できっと粘る。差し返す。

そして、魔術師ルメールへの手替わりが魅力のアサクサキングス。前に行って脚を溜め、最後に爆発させたら天下一品。その乗り方はこの馬にはぴったりに思える。調教も絶好だ。

マツリダゴッホは、中山での4コーナーは本当に鬼気迫る迫力で、馬が大きく見えるほど。その威圧感は圧倒的だ。左回りは昨年の天皇賞以来で、おそらくその頃とは馬が違う。回りと長い直線さえ克服できれば、実力は現役屈指だ。

人気馬から狙うだけに、相手はなるべく絞りたい。
あとは伸び盛りの魅力オウケンブルースリと、外国馬から1頭、若き天才操るペイパルブル。


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Leading Jockey Climax

落馬


23日の京都5レースでセイウンアレースが故障を発生し、エリザベス女王杯に続き2週連続で武豊が落馬した。ただ、今回の落馬は突然の馬の故障によるもので、走っていて急に馬が倒れるのだから、さすがの武豊も軽傷とはいかなかった。右腕尺骨骨折。
当初は年内絶望とも言われていたが、後日自身のホームページで有馬記念には間に合いたいと意欲を見せている。骨盤骨折の際も驚異的な回復力で早期復帰を果たした武豊だけに、今回も本当に年内にターフに帰ってくるかも知れない。
ただ、早くても有馬記念の1週前もしくは有馬記念の週だろう。

そうなると俄然ヒートアップしてくるのが、リーディングジョッキー争い。

23日までにリーディングをひた走る武豊が挙げた勝ち星は143。これを追って、安藤勝己が109、岩田康誠と内田博幸が107。
差を考えると、武豊が順調に乗れていれば今年もリーディングを守る可能性が高かっただろうが、離脱した以上、この3人の熾烈な争いによる追い上げが期待される。

安藤勝己は昨年同様乗鞍を抑えての数字だし、それを証明しているのが.217という武豊(.220)に迫る高勝率。岩田康誠はG1・3勝を含む重賞12勝が光るし、内田博幸は実質3月からの騎乗での数字だから、3人とも中身は濃い。

武豊の離脱により、メイショウサムソンやウオッカ、ヴァーミリアンなど彼のお手馬、有力2歳馬(リーチザクラウンやミクロコスモスなど)の乗り替わりを含めて、(彼には悪いが)年末にかけて騎手同士の戦いが面白いものになった。
残り5週。3人が武豊の勝ち星にどれだけ迫れるか、もしくは抜き去ることができるか。
ここまででセーフティーリードとも言える勝ち鞍を上げてきて、離脱によってリーディングの争いが白熱するというだけで武豊の存在がどれほど大きいかが分かるが、もちろん彼の早期復帰を願いつつ、佳境にさしかかった今年の競馬を、ジョッキーの争いの面からも楽しみたい。


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第25回マイルチャンピオンシップ 回顧

ブルーメンブラット


前半と後半がまったく同タイムの46秒3の、1分32秒6での決着。昨年のダイワメジャーが1分32秒7だからG1としては好レベルのレースで、各馬の力関係が反映されたレースとなったように思う。
ただ、まったく同じ33秒9というラスト3ハロンの脚を遣って、1、2着と勝敗が分かれたブルーメンブラットとスーパーホーネットは、ただただ通ったコースによる差だとしか言いようがない。

勝ったブルーメンブラットは力強いレースでカワカミプリンセスを差し切った府中牝馬ステークスから、さらに10kg増え、それでいて太いわけでもない好馬体。まさに充実一途の秋だったのだろう。
内を巧みに突いた吉田豊も好騎乗で、エリザベス女王杯ではなく牡馬相手とはいえ適鞍のここを狙った陣営の英断も見事だった。

昨年に続きあと一歩で栄冠を逃したスーパーホーネットだが、1番人気で17番枠なのだから、外から強襲する藤岡佑介の判断に間違いはない。
残念だが、4番人気7番枠の牝馬とは、人気や枠の差が不運にも出てしまったとしか言いようがない。力は出し切った。

3着に春のスプリント王ファイングレインが入り、力を示した。マイルの距離に目途をつけたことも含めて復活はもちろん喜ばしいが、坂のあるコースの克服という課題は残ったまま。復調なれば来年の高松宮記念の有力候補だが、その後の安田記念、スプリンターズステークスではその辺りにもまだ留意したい。

4着に追い込んだカンパニーは、見た目には天皇賞激走の反動は見られなかったが、やはり目に見えない疲れがあったのかも知れない。

先行勢ではローレルゲレイロが5着に踏ん張った。前に行った馬総崩れの中での掲示板だから、底力は示した。マイルは少し長いのかも知れないし、骨折の影響が完全には取れていないのかも知れない。
ただ、余談になるが、この馬を見ると、昨年同じようなペースで先行してスーパーホーネットを全く寄せ付けなかったダイワメジャーがどれだけ強かったのかということを再認識させられた。


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第25回マイルチャンピオンシップ 展望

ゲレイロ調教


今週から京都はCコース。内柵から7m外側に仮柵を設置。開催後半に入るが、これで内外の差はあまりなくなり、逆にインをロスなく突ける馬が有利になるのではないか。逃げたいコンゴウリキシオーが7枠、マイルの距離に多少不安のあるマイネルレーニアもスワンステークスほど強気には行けない。スローにはならずとも、ペースはそれほど速くもならない。この2頭の後ろ、1枠1番の好枠からスイスイとローレルゲレイロがレースを進める。
こうなれば、ローレルゲレイロは簡単に止まる馬ではない。1分32秒8と安田記念と遜色ない時計で勝った東京新聞杯のラスト3ハロンは34秒9。府中でここまで粘れる馬が、坂のない京都のミドルペースで止まるはずがない。
骨折明けの前走を2着と好走してさらに上昇。調教走る馬とはいえ、今週の坂路でも当たり前のように1番時計。悲願のG1制覇なると見る。

相手は強力な末脚を誇る2頭。
現役最強馬をウオッカとダイワスカーレットとするならば、そのウオッカを毎日王冠で鮮やかに差し切ったのがスーパーホーネット。昨年王者ダイワメジャーに食い下がったのと同じ舞台で、今年も強烈に追い込んでくる。
もう1頭は、天皇賞でウオッカをクビ差まで追い詰めたカンパニー。驚異的なレコードの反動だけが気になるが、実力は最上位と言ってもいい。戦ってきた相手が違う。調教で終いかかったので3番手としたが、まとめて差し切っても驚けない。

その他は横一線。
G1馬2頭、スズカフェニックスとファイングレインは復調に手間取っているが、実力は確か。
マイペースで粘り腰が怖いマイネルレーニア。重賞2連勝中のサイレントプライド。前走でカワカミプリンセスを差し切ったブルーメンブラット。安田記念3着馬、叩き2走目のエイシンドーバー。岩田と距離短縮が怖いスマイルジャック。
ここまでだが、ジョリーダンス、マルカシェンク、リザーブカード、キストゥヘヴンに不気味な外国馬ラーイズアトーニーも押さえられれば押さえたい。


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第33回エリザベス女王杯 回顧

リトルアマポーラ


脚質というのは不思議なもので、その馬のスピードやスタミナや気性など様々な要因が重なって、陣営や騎手がその馬に合うと思われる脚質ができあがる。だから、それをすぐに変えることはとても困難だし、ましてや変わったとしてもそれが結果に結びつくことは極めて稀だろう。
だから、ルメールがリトルアマポーラでやってのけたことは、簡単そうに見えて、実は誰にでも簡単にできることではない。まさに、魔術のような騎乗だったのだ。

前目の5~6番手でピタリと追走し、カワカミプリンセスが横目に見えるか見えないかの一瞬で、すーっとまた突き放して直線。余力十分の手応えで前を捕え、結局そのままカワカミプリンセスとベッラレイアを封じ込めてみせた。
これまで追い込み一辺倒だった馬に無理させることなくあの位置を取るところがルメールのすごさ。だからこそ、最後も伸びを欠くことがない。
リトルアマポーラ自身が桜花賞2番人気、オークスで1番人気に支持されたほどだから、もちろん馬の能力があってのことだが、それを最大限に引き出すことこそが騎手の実力。素晴らしい騎乗だった。

カワカミプリンセスは、本当はリトルアマポーラの位置取りがほしかった。また、スパッと切れるのではなく長く良い脚を使い、勝負根性で前を競り落とすタイプだけに、4コーナー手前では多少無理してでもリトルアマポーラに併せたかった。
ただ、1倍台の大本命。今回の騎乗を無難とまでは言わないが、思い切った騎乗が出来ない立場だったことも事実。その中で横山典弘の騎乗はほとんど完璧だった。

3着ベッラレイアにしてもそうだろう。
最後の脚こそが持ち味の馬で、本番のG1の舞台で、秋山も無理して前に位置づけることはできない。カワカミプリンセスマークが精いっぱいの策だっただろう。

結果的に2、3着馬はそれぞれ前の馬をマークして、仕掛けのタイミングも一緒。こうなったら道中の位置取りがそのまま着順になるのも仕方なく、結果的に各馬全力を出し切っての1~3着だけに、悔いの残る展開とはならなかった。ただただ最初の位置取りの差が明暗を分けた格好で、(ベッラレイアは別として)ルメールの方が横山典弘よりも巧くポジションを取ったということだろう。

ただ、3歳時のド迫力を知っているだけに、カワカミプリンセスには正直物足りない部分も感じられたし、ベッラレイアにしても昨年ウオッカやダイワスカーレットと戦っていたときの切れ味は鈍ってきたように思った。
騎手の位置取りの差以外にも、伸び盛りの3歳馬と、少しずつ衰えゆく4、5歳馬との差もあったのかも知れない。



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第33回エリザベス女王杯 展望

カワカミプリンセス調教


秋の牝馬の頂上決戦であるエリザベス女王杯だが、今年は少し様相が違う。というのも、(もはや牝馬の枠を超えているのかも知れないが)ウオッカとダイワスカーレットという現役最強牝馬が天皇賞から牡馬混合の王道路線を歩むから。その2頭不在では、女王杯ではなく女王への挑戦者決定戦とも言える。

2強が現れる前、1つ上の世代にはクラシック街道を無敗で駆け抜けオークスと秋華賞を戴冠し、エリザベス女王杯も1位で入線。最強牝馬への階段を確かに駆け上がっていたのがカワカミプリンセス。そのエリザベス女王杯での降着でリズムが狂い、長期休養明けのヴィクトリアマイルを惨敗、果敢に挑んだ夏のグランプリでも4角先頭という見せ場は作ったものの6着敗退。そして、骨折休養。サラブレッドが一番実るはずの4歳を棒に振ってしまった。
だが、今年の金鯱賞で牡馬相手に食い下がって3着。夏を休んで復帰した前走府中牝馬ステークスを負けて強しの2着。復活へのステップには十分で、先週の稽古でも猛時計。かつての輝きを取り戻すために、あの2頭と同じ舞台で戦うために、ここは負けられない。力の違いを見せ付ける圧勝まで期待する。

ウオッカ・ダイワスカーレットが引っ張る最強4歳世代の2番手グループを形成するのがベッラレイアとレインダンス。ともに不調期間が長かったものの、府中牝馬ステークスでは3着と4着に好走した。復調なったとすればカワカミプリンセスに食い下がれるはずだが、道悪が歓迎でない2頭には無情の雨が淀には降りそうで、馬場コンディションによっては共倒れの可能性も高い。

ただ、ここで古馬とG1では初対戦となる3歳勢に例年のような勢いのある馬がいない。
オークス馬は鼻出血で回避、桜花賞馬レジネッタは秋華賞で不可解な惨敗。その秋華賞での勝ち馬は出走してこないので、浮上するのが2着馬ムードインディゴだ。道悪のローズステークスでも鋭く追い込んできただけに、末の破壊力には警戒が必要だろう。
3歳勢からは他に魔術師ルメールにスイッチしてきたリトルアマポーラ。オークスでは1番人気に支持された期待馬。秋華賞ででもただ1頭後ろから良い脚で追い込んできた。
そして、3歳からのもう1頭は堅実に駆けるエフティマイア。秋華賞は身体と減らしながらも掲示板は確保。鞍上が主戦蛯名に戻るのもここではプラスだろう。
ポルトフィーノについては、正直走ってみなければ分からない部分の方が大きい。前走では牡馬古馬相手の1600万下で快勝。条件上がりとはいえ、G1出走前に不運が重なっただけで桜花賞もオークスも秋華賞も、もしかして出走が可能だったならば好走していたかも知れない。あっさり切り捨てるわけにはいかない。

馬場が重くなった場合は、2頭の外国馬ももちろん浮上。
その他岩田確保で末脚鋭いアスクデピュティ、三浦がどこまで粘れるかビエンナーレ。大逃げに打って出たときのコスモプラチナまで警戒する。


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第2回ジョッキーマスターズ

ジョッキーマスターズ2008


秋のG1の谷間、最終レースが終わったあとの日が落ちた東京競馬場のパドックには、地方、海外、JRAの歴戦のジョッキーマスターたちの、本当に楽しそうな笑顔。
まるでG1と見紛うほどの人だかり。パドックにも、スタンドにも、ゴール前にも。

その場には行けなかったけれど、きっとパドックでは多くの檄と励が、ゴール前では「河内!」とか「岡部!」なんて言う、もはや言えなくなった騎手の名前を絶叫する大歓声が響いていたのだと思う。
ジョッキーマスターズは、とても素敵な企画だ。

往年の名ジョッキーとはいえ僕たちがすでに引退した彼らのレースをまだまだ楽しめるのは、彼らがしっかりとトレーニングを積んでから臨んでくること、真剣勝負であること、そして、それぞれに個性あるフォームで素晴らしい技をまだ見せてくれるから。

直線入り口で早くも先頭に躍り出た河内洋は、長い府中の直線をなんとゴールまで持たせてしまった。
地方通算7151勝の鉄人・佐々木竹見が、豪快なフォームで追い詰める。驚くべきことに、彼はすでに67歳だ。
現役時代さながらの少し背中の丸まったフォームで追う岡部幸雄は、こちらも現役さながらに巧みにインに切れ込み、差し返す勢いでゴール前強襲する。
かつてこのターフを世界レコードで駆け抜けたオサリバンは、あのときオグリキャップを競り落としたのと同じ風車ムチをぐるぐる回して食い下がる。

すごいレースだ。
50代60代のおっさんたちとは、とても思えない。

ジョッキーマスターズ2



血統もレースも体系化され、着拾いのレースも多くなってしまった中、いつだって「勝ちに行く」レースをしてきた彼らの追い比べが迫力満点になるのは、ある意味当然かも知れない。
近代競馬、紳士のスポーツなどというけれど、元を辿ればきっと野原で誰が一番速いかを競う、馬が大好きな男同士の意地比べ。そんな競馬の原点を見せてくれた。


そして、そんなマスターたちの白熱のレースが繰り広げられた昨日の東京競馬場には、オグリキャップがいた。

オグリ


オグリキャップが、競馬場にいる。

あぁ、もうそれだけで涙が出てきそうだ。

まだ見学が許されていた優駿スタリオンステーションに会いに行った時には少しボーっとしているようにも見えた。
でも、昨日の彼は久しぶりの大観衆に血が騒いだのか、23歳とは思えぬほど元気。キビキビとパドックを周回する姿からは、若々しさとスターホースのオーラすら漂っていた。
芦毛は高齢になると体質が弱くなるような話もあり心配していたけれど、こうやって多くのファンの前に姿を見せてくれるのは嬉しいことだし、おそらく現役馬以上に気を遣って北海道から大切に輸送してくれたスタッフの努力には感謝したい。

馬と人。
競馬は古来から深く関わる動物同士が奏でるスポーツだから、これほどまでに揺り動かされる。
そして、馬も、人も、引退したあともずっと生きている。

だから、1年に1度のジョッキーマスターズは嬉しいし、競馬場でスターホースがパドックを闊歩する姿を見られることも素敵だ。
やがて、例えば武豊が引退してマスターズで岡部幸雄とまた戦うなんて、想像するだけでワクワクするし、蛯名正義が出てくれば「出遅れるなよ!」と誰かが温かく野次るだろう。
その日はディープインパクトがお披露目だったりしたら、と想像するのも楽しい。

来年とは言わないけれど、ジョッキーマスターズに田原成貴が出てくる日がくればいいな。あの変幻自在の騎乗がまた見てみたい。
無理だろうけれど…。



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第138回天皇賞・秋 回顧

天皇賞秋


凄まじいレース、もの凄いレースとなった。
歴史に残るであろう壮絶な名レースとなった、第138回天皇賞・秋。演出したのは、2頭の名牝、ウオッカとダイワスカーレット。

7ヶ月振りのダイワスカーレットは好スタートからいつもの通り、楽々とハナを切る。2ハロン目で11秒1を記録した脚は、驚くなかれ、9ハロン目まで全て11秒台という猛ラップ。前半58秒7という決して遅くはないペースで逃げながら、後半5ハロンはなんとそれよりも速い58秒5。生み出されたタイムはスペシャルウィークのレコードを0秒8も更新する1分57秒2。勝ち馬ウオッカとの差は、たったの2cm。
安藤勝己はおそらく(当たり前だが)どこかで12秒台を刻んで、もう少し楽をして逃げたかったはずだ。でも、チーム角居の一角であるトーセンキャプテンがそれを許さない。道中ピタリと張り付いて、ダイワスカーレットは息を入れられない。
長い長い直線の途中、いつもほどの手応えがない愛馬の手綱を懸命にしごきながら、安藤勝己が外に目をやる。馬場の真ん中から迫り来るのは2頭のダービー馬、ウオッカとディープスカイ。ダービー4勝ジョッキーと2勝ジョッキー、武豊と四位洋文。捉えられそうな脚色にも見えたが、そこからダイワスカーレットがさらに伸びたものだから、12万大観衆の大興奮は最高潮に達する。

G1の舞台で初めてダイワスカーレットに先着したウオッカは、最初こそ少し折り合いを欠いたもののダイワスカーレットの引っ張る猛ラップも手伝い、武豊と共に途中から中団の位置でピタリと折り合う。4コーナーから徐々に前進し、粘るライバルを力でねじ伏せた。
ライバルは7ヶ月振りで初の府中でのレースに対し、ウオッカは得意の府中で叩き2走目というアドバンテージがあったとはいえ、他力本願の直線一気ではない勝ち方に文句はない。

もちろん名勝負は2頭だけでは作られない。
果敢に挑戦した今年のダービー馬ディープスカイは、道中はウオッカの直前に位置し、そこから先輩ダービー馬との併せ馬の形で伸びてきた。ハナ+クビ差の3着だけに無念だろうが、これだけの激戦を古馬相手に互角に戦い抜いた経験こそ、まだ3歳の同馬には何物にも代え難い経験、自信。さらに強くなる。

この3頭に割って入ろうかという勢いで突っ込んできたのが、7歳の古豪カンパニーとエアシェイディ。近年では最強の世代レベルを誇るキングカメハメハ、ハーツクライ世代の意地を見せてくれた。

心に、歴史に深く刻まれる名勝負は、全ての馬の秘めたる底力までも引き出す。11着のアドマイヤフジまでが従来のレコードタイムで駆け抜けた。
最後から3ハロン目、2ハロン目まで11秒3、11秒3と加速し続けたダイワスカーレットだったが、実は最後の1ハロンは12秒6と極端に失速している。もちろん、ダイワスカーレットだけではない。ウオッカも、ディープスカイも脚は止まり、頭は上がりかけていた。
しかし、この数字こそが激戦を物語る物証。誰にも負けたくない。馬同士の、鞍上同士の根性と意地がぶつかり合った数字なのだ。

ウオッカもダイワスカーレットも、来年も現役を続行するという。
もう一度同じ舞台に立つのかどうかはまだ分からない。ただ、違う舞台に進もうとも、この恐るべき同い年の名馬は凌ぎを削り、歴史に名を残し、やがて母となる。

たった2cmは、もはや差とは言わない。
第138回天皇賞のゴール板から、さらに先へ。この2頭の戦いはまだまだ続く。

素晴らしいレースに感謝して、激戦の反動を充分にケアしてくれることを各陣営に願って、これからも続く「歴史」から目を離さずにいよう。


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第138回天皇賞・秋 展望

ウオッカ調教


歴史に残るであろう牝馬2頭が同じ世代に生まれきてしまったことは、果たして幸か不幸か。
ダイワスカーレットとウオッカ。
デビュー以来3着以下がないG1・3勝馬と、ダービー、安田記念という牡馬相手のG1を圧勝したこちらもG1・3勝馬ウオッカ。対戦成績はダイワスカーレットの3勝1敗。しかし、その1敗は初対戦で直線入り口でウオッカの脚を測るために追い出しを待ったチューリップ賞であり、実質ダイワスカーレットはウオッカを圧倒している。

ダイワスカーレットの強さは、何と言っても自分でレースを作ることが出来る脚質にある。
スローで流すのではない。ある程度淀みないペースで引っ張り、直線では33秒~34秒台の末脚でさらに伸びる。決して逃げて凌いでいるのではなく、この馬自身が伸びているのだから、もちろん追い込み勢に出番はない。
それを一番物語っているのが新馬戦。ゴールまでの最後の5ハロンを全て11秒台のラップを刻むという脅威のスピード持続力こそが、この馬の武器だ。

対してウオッカは一瞬の鬼脚。直線で抜け出すときの瞬発力は破壊力抜群。まさに一瞬で他馬を置き去りにする。

持続力対瞬発力。
牝馬同士の頂上決戦となった、秋の天皇賞。ワクワクする。

おそらくペースは遅くはならない。ダイワスカーレットが逃げる形になったとしてもスローで逃げる馬ではないし、もはや彼女に楽逃げさせるほど牡馬の先行勢も落ちぶれていはいるまい。キングストレイルかアサクサキングス、カンパニー辺りがプレッシャーをかけにくる。
ただ、ダイワスカーレットは逃げ馬ではなく、行きたい馬がいれば行かせて、自分のペースを守るのみ。ゴール前4~5ハロンでいつものように加速し、ゴールまで鈍ることのない脚で押し切れば良いのみ。

というのは彼女が順調なときの話。
今回は過去の優勝馬には例を見ない7ヶ月の休み明け。しかも、ただの休養ではなく、故障明けだ。その上、長い長い直線の府中は初体験。

ウオッカは負けるわけにはいかないのだ。

7枠14番に入ったウオッカは、これで毎日王冠のような逃げ戦法はなくなったと見る。内を見ながら、中団につけて脚をためる。気性も成長し、4度目の騎乗になる武豊は上手く彼女をなだめるだろう。
もちろん、ダイワスカーレットは射程圏に入れていなければならない。ただ、あまり深追いすると共倒れになる。つまり、差し脚鋭い、例えば若きディープスカイにゴール直前強襲されてしまうかも知れない。
毎日王冠のゴール前3ハロンの最初の1ハロン目で繰り出した10秒5という瞬発力で、ダイワスカーレットを捉える。直線で、一瞬で大きなリードを取る。差し追い込みがそこから33秒台の脚を使っても届かない、中団から出来れば34秒台前半の脚で押し切る。
本命は、ウオッカ。

対抗には一応ダイワスカーレットだが、牝馬の故障明けの初コースで通用するほど古馬最高峰G1は甘くもない。
毎日王冠ではスタート直後に外傷を負い、最後の直線でもヨレながらもウオッカと同じ上がりタイムで3着入線のアドマイヤフジが怖い。

3歳の変則2冠馬ディープスカイは、ダービーもNHKマイルカップもタイムが平凡。同世代相手では圧倒的強さを誇ってきたが、ここは正直試金石。それにいつもように後ろからでは、前で33秒~34秒台の末脚を使う牝馬2頭はとても捕まえられないのではないか。あくまでも抑えの1頭。

他には上がり34秒~35秒台が限界に思えるが、ウオッカのダービーで2着に粘ったアサクサキングス。札幌記念で右回り最強馬と思えるマツリダゴッホを差し切ったタスカータソルテ+ルメール。池添の強気の大外捲りがハマったときのドリームジャーニー。

とにかく出走全馬が重賞ウィナー、そのうちG1馬が5頭という好メンバー(アドマイヤジュピタの離脱、メイショウサムソンの回避は残念だが)だけに、力勝負の好レースを期待したい。


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