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第69回皐月賞 回顧

satsukishou2009


確たる逃げ馬がいない。3強のうち2頭は前に行く脚質。ただ、中山の馬場は前が残る。
様々な心理が各ジョッキーたちの胸に去来したはずのスタート前、そして、スタート直後。
やはり、前に行ける馬たちの鞍上の思いは同じだったか。ゴールデンチケットの川田が押してハナを主張し、ミッキーぺトラ、アーリーロブスト、アントニオバローズなどが続く。激流が作り出され、前半5ハロンは59秒1。
もちろん走っているのは3歳春の若駒たち。こんなペースで先行して残れるのはダイワスカーレット級でなければならないが、この時点でそこまでの馬はいない。

3強の1角リーチザクラウンはこの速い流れでも折り合えず、かかりながらの先行だっただけに直線失速は仕方がない。馬の能力うんぬんではなく、逃げなければ折り合えないという気性の問題が大きい。
ダービーではここまで速い流れにはならないだろうから、果たして自分のペースで逃げてどこまでか。気性とスタミナのバランスが難しい。

1番人気ロジユニヴァースは、飛ばす前を見ながらの6~7番手。絶好のポジションにも思えたが、4コーナー曲がって早々に手応えがない。失速したリーチザクラウンすら捉えられなかった。
この馬の場合、敗因を探すのは難しい。能力がなければ重賞3勝を含む4戦無敗でこの舞台まで登り詰められないだろう。
考えられるのは、マイナス10キロの馬体が示す調整ミス。ただその場合、調教は絶好だっただけに、その後レース当日までの3~4日間という短い期間での体調低下ということになる。
他にも多頭数の内で揉まれたことがないという経験不足なども考えられるが、この馬の場合もこの後のダービーを展望すると、正直厳しくなったと考えざるを得ないだろう。

そんな2頭を尻目に、圧勝したのがアンライバルド。
道中は中団やや後ろ。そこから4コーナー大外を捲くって、ズルズルと下がる先行勢をねじ伏せるように先頭に躍り出たかと思うと、あっという間に3~4馬身抜け出してみせた。
その脚色、瞬発力とその後の持続力は鬼気迫るものがあり、他馬が止まって見えるとはまさにこのこと。圧巻の迫力だった。
ハイペースの助けもあって折り合えたという見方もあるが、デビュー以来数戦の行きたがる気性が嘘のように鞍上の指示に従える。ゴーサインに瞬時に反応できる。
ダービーも最有力だろう。

2着に道中最後方のトライアンフマーチ。ハイペースに乗じた差し、気楽に乗れる立場だったことも大きいが、戦前から囁かれていた潜在能力を示してみせた。まだ少し太く見える幼い馬体から考えても、もう一段階成長すればダービーでも。

3着セイウンワンダーは2歳王者の意地を示した格好。折り合えば距離は持つ。ただ、勝ち馬と同じような位置から一瞬で置き去りにされただけに、総合能力でアンライバルドに太刀打ちするのは厳しいか。

それにしてもここまで見事なほど前残りだった馬場で、先行勢総崩れだった皐月賞。
乗っている騎手たちも、馬場の傾向は分かっている。だからこそ作り出されたこの激流。騎手心理まで読み説かないと、馬券攻略は厳しいということをまざまざと見せつけられたレースだった。




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第69回皐月賞 展望

リーチ調教


きさらぎ賞、弥生賞、スプリングステークス。それぞれのステップを快勝して決戦に挑む3強、リーチザクラウン、ロジユニヴァース、アンライバルドが、極端な枠に入った。
最内にロジユニヴァース、大外にリーチザクラウン、そしてアンライバルドも8枠16番。小回りトリッキーな中山内回り2000mで、鞍上含めどういったレースを見せるのかに馬券の鍵はある。

重賞3勝を含む無敗のロジユニヴァースは差して良し、逃げて良しの自在タイプ。鞍上横山典弘も手の内に入れており、この舞台こそうってつけの馬に思える。だから、最内も問題なく、包まれないように前に行けば良い。
そのロジユニヴァースにラジオNIKKEI杯で完敗を喫した武豊リーチザクラウンは、大外。それ以外のレースでは逃げて圧勝を繰り返してきたスピードが武器。それはワンペースではあるけれど、気分良く逃げられれば簡単には止まらない。
アンライバルドは一瞬の切れ味が武器。迫力満点のストライドから繰り出される末脚は、一瞬で前を捉えることができる。

ロジユニヴァースが、本命にふさわしいとも思える。
ただ、昨年7月のデビューから無理使いせずにここまでわずか4戦のキャリア。自在に立ち回れる脚を持っているがゆえに、逆に言えば厳しいレースを経験していないことが弱みにはならないか。そんな不安を持ってみる。

だとしたら、ロジユニヴァースを負かせるとしたら、スピードか、切れ味か。

今の中山の馬場は最終週にも関わらず、内・前が止まらない。
本命には、リーチザクラウンを指名する。

何が何でも逃げたい馬がいない。奇襲を秘めているジョッキーがいるとしても、大外から馬なりで、たぶんリーチザクラウンは前に行ける。それでも逃げたい馬がいれば、行かせれば良い。武豊は、ただ細心の注意を払って、リーチザクラウンの気分を損ねないペースで彼を走らせる。途中から先頭に立っても良い。ただただ、リーチのペースで。そうすれば、これだけの力を秘めた馬に、最適とも言える中山の馬場。もちろん、止まらない。

そのロジユニヴァースを見る形のロジユニヴァースは、3強とはいえ前日オッズ1倍台の一番人気ゆえ、自身の後ろにヒタヒタと迫るアンライバルドにも気を遣う。あまり強引にはリーチを捕まえにはいけない。

アンライバルドは折り合いに不安が残る馬。それに、今の中山は本当に差しが効かない。前に行く2頭が強力なだけに、きれいに差し切ることは至難の技とも言える。

道中の順番通り、リーチザクラウン、ロジユニヴァース、アンライバルドの順番でそのままなだれ込む確率がとても高いとは思うが、そう簡単にも行かないのが競馬。伏兵にも目を光らせておかねばならない。

若葉ステークス1、2着のベストメンバー、トライアンフマーチ。
一頓挫あったものの、秘めたる力が魅力十分のナカヤマフェスタ、アントニオバローズ。
前に行けるミッキーペトラ、アーリーロブスト。今週は気楽に乗れる、安藤勝己フィフスペトル。

最大の惑星は、毎日杯の内容が優秀なゴールデンチケット。
アイアンルック、アプレザンレーヴといった、NHKマイルカップやダービーでも主力視される馬が1、3着のレースで、2着に割って入った価値は高いし、前に行って坂のある阪神で上がり34秒3の脚で残った。ここでも。



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第69回桜花賞 回顧

ブエナビスタ桜花賞


単勝1.2倍。圧倒的支持を受けていたブエナビスタだけに、4角で前を行くレッドディザイアとジェルミナルに挟まれかけ、一旦下げてから再度大外に持ち出したときは、恐らく多くの人が差し切れないと悲鳴を上げたはずだ。
だが、そこからの脚はまさに「飛んでいる」ようだった。上がり33秒3はもちろん出走馬最速。ゴール手前で完全に抜け出して夢を見たはずのレッドディザイアを瞬時に捉え、突き放してからは余裕があったようにも見えた。
完勝。
今回の安藤勝己の騎乗はお世辞にも巧く乗ったとは言えないもの。安全に後ろから大外に持ち出すだけの仕事だった。だから、この勝利は完全に馬の力によるものだが、逆に言えばその力を知っていてそれを引き出しさえすれば勝てるという安藤勝己の騎乗だったのかも知れない。

負けたとは言え2戦のキャリアで2着に食い込んだレッドディザイアも見事なレース。その力は充分に誇示することができた。
ブエナビスタを抑え込んで自身が先に抜け出す。四位の思惑通りだったのだろうが、ブエナビスタの力が彼の想像以上だったということになるのだろう。
ただ、この初対戦を受けて、さぁオークスでどういう戦いを挑むのか。
ごまかしの利かない府中の2400に、まだ夢は繋がった。

3着にジェルミナル。
この馬も鞍上福永が外差しの利く馬場を上手く利して、上がりも33秒8で来ているのだから、2着馬との1馬身半差は残念ながら力の差に思える。しかも、上位2頭が距離が延びて良さそうなのに対し、この馬はマイル前後が適距離の印象もある。

今週の馬場は外が抜群に伸び、内を突く馬には厳しい状態だった。
だから、ダノンベルベールやツーデイズノーチスはそもそも枠順の時点での不運が大きかった可能性が高いし、ヴィーヴァヴォドカやサクラミモザと言った先行馬にとっても厳しい展開が余儀なくされた。
ブエナビスタ、レッドディザイアが抜け出した感がある牝馬クラシック戦線だが、ディアジーナを始めとする別路線組も踏まえて、他馬の巻き返しにも期待したい。




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第69回桜花賞 展望

ブエナビスタ調教


今年の桜花賞はとにかく1強ムード。ブエナビスタ断然で仕方のない雰囲気が漂う。
実際大きくはない馬体や、その時計からはそれほど強さは感じられないが、前を捉え抜き去り、突き放す際の強さは計り知れないものがある。
何よりこれまで後塵を拝したのが皐月賞でも3強を形成するアンライバルドとリーチザクラウンただ2頭なのだから、同世代の牝馬相手では力は抜きん出ていると考えた方が良い。
重箱の隅を突くような死角を探しても仕方がないのだろう。素直に本命に指名して、歴史的牝馬への階段を登るホップを見守りたい気持ちになる。

ただ、相手は大混戦。そして、だからこそブエナビスタとは未対戦の馬からその未知の可能性を探り、あわよくばブエナビスタに先着する夢まで見られる馬券をとりたい。

ヴィーヴァヴォドカはフラワーカップの勝ち馬。しかも、オークスでは有力馬の1頭に数えられるディアジーナの追撃を退け、時計も優秀。何より、未勝利勝ちの内容が素晴らしい。1000mを57秒台で飛ばしてそのまま押し切っての勝ち時計は1分34秒7。ただの逃げ馬ではない。
幸い同型のサクラミモザが番手に控える発言をしており、おそらく単騎の気持ち良い逃げ。クロフネに冷や汗をかかせたNHKマイルカップのグラスエイコーオーを持ち出すまでもなく、思い切った騎乗が身上の村田一誠、一世一代の騎乗が見てみたい。

チューリップ賞3着は脚を余してのものだったルージュバンブーも前進が見込める馬。前が詰まりながらブエナビスタに0秒4差なら、外枠に入り外差しが効くこの舞台なら。

ツーデイズノーチスも末脚鋭い魅力溢れる馬。松岡が2番枠からどういった騎乗を見せるか。
大外はレッドディザイア。2戦2勝という戦績は諸刃の剣だが、坂さえ克服できれば末脚はもしかしたらブエナビスタよりも切れるかも知れない。

この舞台を早くから目標にしてきたジェルミナル。前走ブエナビスタに最後まで抵抗したサクラミモザ。安定感溢れるダノンベルベール。

惑星は穴男駆るカツヨトワイニング。とにかく馬と騎手との相性が抜群だし、阪神競馬場初騎乗だからこそ、思い切った騎乗ができそう。
「桜花賞に乗るのではかく、カツヨトワイニングに乗る」
腹を決めた男の一発が怖い。



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第39回高松宮記念 回顧

祝!ゲレイロ


スタートから馬なりで先行して逃げの体勢に入ったのではない。勝ち時計も1分8秒フラットと、スプリントのG1としては決して速いものではない。
ただ、そこにこそ勝ち馬ローレルゲレイロの今後が見えないだろうか。

スピード任せの先行から速い時計での勝ちならば、それは典型的なスプリンターのもので、だから、今後ローレルゲレイロがマイルまでを展望するとき、およそスプリンターっぽくはないこの内容は大きな拠り所になる。

スタート直後、7枠からの発走となったローレルゲレイロの鞍上藤田伸二は、押して押してハナを主張する。そのこだわりは相当強かったらしく、大外からスピードに任せて先行しようとしたジョイフルハートをチラリと威嚇したほど。
幸い、藤田伸二は数少ない所謂「威嚇逃げ」が打てるジョッキー。ハナに立てばあとは落ち着かせて、最後の脚を溜める術も心得ていた。
ローレルゲレイロ自身も、これまではマイルでも好勝負してきた馬。スプリントG1にしては楽なペースで行かせてもらえれば、他馬よりも豊富なスタミナと最後まで一生懸命に走る気性で乗り越えた。
父キングヘイローに続く、見事な親子制覇。ダンシングブレーヴの血が繋がる。

道中好位から馬なりで上がっていき、最後の直線では一度は勝ち馬の前に出た昨年のスプリント女王スリープレスナイトもやはり見事なレース振り。
昨年末からの不幸な怪我や蕁麻疹を乗り越えてここまで仕上げた陣営も素晴らしいし、馬自身もスプリント能力の高さを証明した。

3着以下は大接戦。
ハナ差の3着をものにしたソルジャーズソングと4着トウショウカレッジはお互いにスムーズに進出できなかった場面はあったものの、差し馬勢でここまで押し上げたのはこの2頭のみなのだから、実力は相応に評価して良いだろう。
特にサンデーサイレンス直仔であるソルジャーズソングには、未だ流れるその血の威光を感じた。

今年は例年よりも内側が荒れていなかったので、各馬はなるべくインに殺到する。
だから、差し追い込み勢は内に入る隙もなく、結果的に外を回すことになり、それでは届かないという展開。
だから、ファリダットやアーバンストリートには厳しいレースとなった。

ただ、ファリダットはいつもこのような展開に泣いているように思える。
折り合いに難しい面もあるのだろうが、逆にもう少し長い距離で伸び伸び走らせてみるのはどうか。スプリント戦でも結局後ろから行くしかないのだから、もう少し直線の長い広いコースで最後の脚を生かす手もある。



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