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第76回日本ダービー 展望

トライアンフマーチ調教


海外出張のため予想ができなかったヴィクトリアマイルとオークス。そして、久しぶりに接するG1がダービーとくれば、否が応でも力が入る。

皐月賞前の評価から一変、世間は皐月賞馬アンライバルドで1強ムード。
確かに皐月賞は強い勝ち方だった。走破時計も優秀だし、何よりもあっという間に先団を飲み込み、次の瞬間には突き放していた勝ち方も見事。牝馬に続いて牡馬も2冠濃厚かとも思える。
ただ、あの反応の良さと切れに切れる脚が、逆に府中のチャンピオンディスタンスでは逆に若干の不安を抱かせるのも事実。
随分と解消されてきたとはいえ、元来かかり癖のある馬。貯めて貯めて爆発させる、その仕掛けどころが、この長い直線では難しいのではないか。
皐月賞馬に敬意は評しつつ、対抗評価に留める。

本命には皐月賞2着馬、トライアンフマーチに期待したい。
その皐月賞は最後方から最速の上がりでアンライバルドに0秒2差まで追いすがった。展開が向いたとの見方もあるが、後半7ハロン1分21秒7はとにかく速い。追い始めてバテない末脚はむしろ中山よりも府中向きにも思えるし、角居厩舎でウオッカとの意欲的な調教を経て、この最高峰の舞台で素質は開花する。
問題は鞍上、武幸四郎。腹を括って、馬の力を最大限に発揮する一世一代の騎乗を見たいぞ!

アンライバルドに若干の不安を覚えるだけに、他にも手広く。
中でも注目は青葉賞を根性の差し返しで制したアプレザンブレーヴ。府中2戦2勝の実績は魅力だし、雨が降り続いた少し湿り気味の馬場もこの馬には有利。
何よりもこの馬の力を証明しているのが、皐月賞3着馬を袖にしての内田博幸の選択。これほどまでの騎手、何かを感じているとしか思えない。

前が残る今開催の府中で、やはり注意したいのがリーチザクラウン。
この馬の場合、力は確かなのだ。問題は折り合いのみ。気持ち良いスピードでスイスイと進むことができれば、馬場を味方に簡単には止まらない。

同じく巻き返しに注意したいロジユニヴァース、府中に変わって警戒したいナカヤマフェスタ、好調福永が御するセイウンワンダー、NHKマイルカップ馬ジョーカプチーノ。
中でも最も警戒したいのが、フジキセキの背中を知り、ジャングルポケットでダービージョッキーとなった角田が絶賛するアントニオバローズ。馬っぷりからは大物感を感じさせるし、府中の直線でこそその荒削りな末脚は爆発しそうだ。

さぁ、今年もダービーがやってきた。
ゲートインして、無事にスタートを切ったその瞬間、この舞台にまで駒を進め、最高峰の戦いに挑む全馬を、賞賛と敬意の拍手を持って見守ろう。





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第14回NHKマイルカップ 回顧

ジョーカプチーノ


逃げて活路を見出したいゲットフルマークスの作り出したペースが、前半57秒2というハイペース。ただ、その後ろ2番手追走のジョーカプチーノは逃げ馬から4~5馬身後方の位置取りで、その後の団子状態の集団はさらにジョーカプチーノから8~9馬身後方。
だから、一見ハイペースのこのレースも飛ばしたのはゲットフルマークスただ1頭で、結果的にジョーカプチーノは折り合いピタリで自分のペース。その後の集団はハイペースに乗じた差し追い込みを狙ったのかも知れないが、これはさすがに位置取りが後ろ過ぎる。
それを示すかのようにジョーカプチーノが鮮やかに抜け出したあと、2着~5着に飛び込んだのが後方集団の先頭付近にいたレッドスパーダ、グランプリエンゼル、マイネルエルフ、フィフスペトルだったことからも分かる。つまり、後方集団の先頭付近こそが本来の追い込み馬の位置取りであり、そのさらに後方にいた馬たちはレースに参加していないようなものだった。届くわけがないのだ。

勝ったジョーカプチーノの鞍上には若き藤岡康太。馬を信頼して折り合いを重視した結果とはいえ、そのスピード感覚、ペース判断は見事。

逆に、有力差し馬に乗ったジョッキーたちはどうしてしまったのだろうか。武豊、小牧太、吉田豊。見た目のペースに惑わされてしまうほど経験の浅い彼らではない。
やはりこの時期の若駒の気性に絶対の信頼を置けず、つまり行かせると掛かってしまう危険性を捨て切れずに、馬込み後方でじっと折り合いに専念するしかなく、動くに動けなかったのかも知れない。実際焦って追いかけたサンカルロは大きく斜行してしまった。
この時期の、馬体も気性もまだ完成されていない馬たちのレースという、一番難しい側面が出てしまったように思う。




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第14回NHKマイルカップ 展望

ブレイクランアウト調教


毎年バラエティに富む路線から参戦馬が集い、その分面白いレースになるのだが、予想としては難しくなる。今年も有力馬は多数で、しかもその多くは後ろから狙う差し・追い込み馬。こういうときは先行馬狙いが鉄則だが、舞台は東京のマイル。有力馬の多くが抜群の破壊力を備えているとなれば、素直に従うべきか。

狙いは共同通信杯以来となるブレイクランアウト。
昨年の朝日杯まではその切れ味は認めつつも、並んで気を抜くのかあと一歩突き抜けられなかったが、前走共同通信杯で遂に爆発。確かに長く良い脚を使えるタイプではないが、主戦武豊が仕掛けのタイミングを間違えさえしなければ、ゴール板でトップスピードに達するように追えるはず。
心配だったのは鞍上の不運・不調だったが、地方とはいえ兵庫CSで久しぶりの重賞制覇。今日も京都新聞杯(デルフォイ)で2着確保と、徐々に戻してきている。

相手にはそのブレイクランアウトを朝日杯で3着に競り落とした(自身は2着)フィフスペトル。皐月賞は距離に若干の不安があった分ロスの少ない内々を回って、最後の直線は前が詰まってしまった。ただ、それでも安藤勝己は「前さえ空いていれば伸びる手応えはあった」と言う。
明らかに2000よりはマイルの方がベター。セイウンワンダーの皐月賞成績を見ても、朝日杯は決してレースレベルは低くはない。
ブレイクランアウトと共に伸びてくる。

続くのは荒削りだし追い出してすぐに反応できないところもまだ残るが、行く気になってからの脚がすごいアイアンルックと、内を捌いても伸びて来れるサンカルロ。ハイレベルの桜花賞で4着に食い込んだワンカラット。

前に行って粘れるレッドスパーダ、内枠で岩田が怖いミッキーパンプキン、前走空馬の不利がありながら2着に追い込んだティアップゴールドまで注意を払う。




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第139回天皇賞 回顧

tennoushouspring2009



前走の日経賞2着が初めての長距離戦、この天皇賞が長距離2戦目となるマイネルキッツが見事な巻き返し、完璧なレース振りで初重賞をG1で飾った。
決してハイペースではないが道中13秒台が2度あるだけ、ラスト3ハロンも35秒1という淀みない流れが止まらないレースで、中団の内でじっと身を潜め、満を持して追い出した直線で抜け出してみせた。
もちろん馬に長距離適性が十分備わっていたことも大きいが、松岡騎手のペース判断は見事。長距離は騎手の腕にかかる比重が大きくなるとも言われるが、この勝利に限ってはジョッキーの技術が大きかった。

道中勝ち馬と同じような位置取りから2着まで詰め寄ったアルナスラインも見事なレースだったが、前走は負かしている相手だけに今回は追い出すタイミングが一歩遅れたことが全て。力差はほとんどないだろう。

3着ドリームジャーニーは池添騎手が懸命に、折り合いだけに専念してのレース。
結果的に距離はなんとかこなせるといった程度で、やはり長距離では本来の切れ味が鈍るのは仕方がない。
ただ、久し振りのこの距離で3着まで押し上げるのだから、確かな自力強化は感じる。

1番人気アサクサキングスはこの淀みない展開で、人気馬故の勝ちに行く競馬。結果論としてスパートが早かったのだということになるが、あそこまで(9着)沈むということは前走不良馬場での激走の反動が少なからずあったのかも知れない。
それは同じ阪神大賞典組のヒカルカザブエとスクリーンヒーローがそれぞれ7着と14着に大敗したことからも窺い知れる。




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第139回天皇賞 展望

モンテクリスエス調教


春の盾、淀の3200mと言えば、古馬の最高峰。有馬記念やジャパンカップといった華やかなイメージとは逆の、重厚で由緒正しいG1。ダービーと並んでホースマンならば一度は手にしたい天皇盾。
ただ、今年のメンバーは寂し過ぎる。いや、今年に限らず、現代競馬では異質である3000m超という距離で行われるG1の勲章は、名誉は、もはや種牡馬の価値を高めるものではないのかも知れない。

実際、馬柱を眺めていても、不思議なほどワクワクした高揚感が巻き起こってこない。
昨年のダービー馬も菊花賞馬もいない、春の盾。有馬記念最下位の馬、有馬記念で勝ちに行って牝馬に返り討ちを食らった馬が1、2番人気なのだから…。

それならば本命はメキメキと力をつけているモンテクリスエス。馬は長丁場を走っても末脚が鈍ることがない生粋のステイヤー。鞍上には最近精彩を欠くとはいえ春の盾6勝を誇る武豊。京都芝は(1、1、1、0)という馬のコース適性も味方につけて、この地味なG1を盾男の復活で派手に飾ってもらおう。

相手は昨年の不振が嘘のような快進撃、京都記念、阪神大賞典を連勝してきたアサクサキングス。
一昨年の菊花賞馬が本来の姿を取り戻してきたのだとしたら、この相手では本来力は上のはず。

そして、昨年のジャパンカップ馬スクリーンヒーロー。
スローのジャパンカップをしっかりと折り合い、負かした相手がディープスカイにウオッカなのだから、この距離のペースはむしろ合っているはず。
心配は関東馬であること、前走59kgで重馬場だったとはいえ完敗だったこと。ここで、この相手で、真の力が試される。

アルナスラインは前走日経賞で鮮やかに復活。菊花賞でアサクサキングスと接戦を演じたほどだから馬の実力は差がないはず。あとは騎手の腕次第。

香港帰りの休み明けが不安も、鞍上ともども不気味なジャガーメイル。充分に折り合って脚を貯め、仕掛けのタイミングも全てハマったときの末脚はやはり脅威のドリームジャーニー。荒削りながら秘めたる素質は計り知れないヒカルカザブエ。上がり馬ゼンノグッドウッドまで押さえる。




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